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川崎七福神めぐり 「ポタリング」楽しむ人々も

たくさんの参拝者でにぎわう安養寺の門前

たくさんの参拝者でにぎわう安養寺の門前

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 市内の7寺院を巡る「川崎七福神めぐり」が現在、行われている。天気に恵まれた三が日は、自転車でゆっくりと走行する「ポタリング」で七福神を巡る人の姿も目立った。

7つの寺を巡って完成した色紙

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 3日の10時、東急東横線元住吉駅から徒歩15分ほどのところにある大楽寺(川崎市中原区木月4)に十数人ほどが集まっていた。武蔵小杉で毎月開催されている「こすぎの大学」に集まるメンバーで「ポタリング部」を立ち上げ、初めての活動として「七福神めぐり」を選んだという。

 川崎七福神めぐりは1983(昭和58)年、「歴史探訪を楽しみながら、ご利益を得る」という心得で始まった。同じ中原区内にある7寺院だが、徒歩で回ると約5時間かかる。坂の少ない中原区を巡るため、小回りの利く交通手段としては自転車が便利だ。

 布袋尊を祭る大楽寺で色紙(300円)を購入し、朱印(200円)を押してもらい、いざ出発。次の寺まで約3.5キロの道のりをゆっくり走行する間、周囲の街並みや季節の樹木などを眺めるのも「七福神めぐり+ポタリング」の楽しみだ。

 寿老人をまつる無量寺(中原区中丸子)に着く。仲間とは違う手書きの朱印(1つ300円)を集める高橋麻美さんは「この近くに住んでいるので正月にはよく七福神巡りをする人を見かけていたが、今回ポタリングでの七福神巡りに参加して初めてお参りができた」と喜ぶ。「寿老神がもつ長寿、家内安全の御利益に、この辺りの地域が長く守られてきたことを感じた。改めて家族で一緒に来たい」と笑顔を見せていた。

 多摩川に沿うように1.5キロ北上すると、東横線新丸子駅から徒歩6分のところにある大楽院(中原区上丸子八幡町)に着く。ここでは七福神中ただ一柱「国産」の神である恵比寿神を祭っている。新丸子で「朝活」のイベントを主催している小池淳一さんは「七福神はもとより、普段は見逃している身近なところに寺院があることを発見できるのが楽しい」と話す。

 中原街道に出て1.5キロほど西へ走ると、大黒天を祭る西明寺(中原区小杉御殿町1)の参道が見えてくる。武蔵小杉駅前商店街で眼鏡店を営む大坂亮志さんは「等々力陸上競技場に川崎フロンターレの応援に向かう道すがらにあり、いつも庭や参道にある植木や花の手入れがしっかりされているのが分かる気持ちのいいところ」と同寺への愛着を語る。「今年もしっかり働いて大黒様に後利益を頂けるようにしないと」とも。

 等々力緑地の外周から住宅街を抜けるように、さらに1.5キロほど走ると、東樹院(中原区宮内1)の門の前に着く。「きちんと区画が整理されていて、毘沙門天(びしゃもんてん)を祭るにふさわしい厳粛な雰囲気」と話すのは近隣に住む岡本克彦さん。朱印を押してもらい、同院の近くが通学路だという娘のために学業成就のお守りを買った。

 すでに正午を回っているが、残すは弁財天の宝蔵寺(中原区上小田中1)と福禄寿(ふくろくじゅ)の安養寺(中原区上新城1)のみ。この2寺は互いに400メートルしか離れていない。府中街道をゆっくりと北上し、弁天様と福禄寿の朱印も色紙に押印。無事に7つの朱印が集まり、色紙が完成したところで解散。正味3時間のポタリングだった。

 「ポタリング部」の部長で、元住吉で不動産業を営む福地信吾さんは「スタート地点に選んだ大楽寺は小学校にあがる前からの思い出がある寺院。晴天の下、仲間と一緒に巡ることで新たな思い出ができた。この達成感を忘れないように一年を過ごしていきたい」と、すがすがしい表情で抱負を語る。

 川崎七福神めぐりは今月7日まで。

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