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楽器盗難被害の吹奏楽団、保育園で演奏 指揮者体験も

アンコールで一緒に踊る子どもたち

アンコールで一緒に踊る子どもたち

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 川崎吹奏楽団が2月18日、川崎市内の中原保育園(川崎市中原区小杉陣屋町2)を訪問し、音楽を演奏して園児たちと交流した。

園児に指揮棒の持ち方を教える田中さん

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 同楽団は、1971(昭和46)年に創立された市民楽団。地域との触れ合いを大切にして活動し「かわすい」の愛称で親しまれている。今年1月15日、同区内に止めてあった同楽団の楽器運搬用のワゴン車が楽器ごと盗難に遭い、打楽器や譜面台などを失った。1カ月がたった今でも手掛かりは見つかっていないという。

 音楽会当日は、別の車に楽器を積み、30人を超える楽団員が保育園を訪れ、満場の親子の前で演奏を披露した。特色のある楽器の奏者が自分の楽器の説明をした後、子どもたちに人気のある曲を次々に演奏。途中で子どもたちの中から希望を募り、選ばれた子どもが実際に指揮棒を振る場面も。アンコールでは、ダンスナンバーに合わせて子どもたちが総立ちとなって踊り、盛り上がりを見せた。

 大勢の子どもたちの中から指揮者に選ばれた年中組の女児(5)は、「みんなの前で指揮をするのはドキドキして、恥ずかしかったけれど、とっても楽しかった」と満面の笑顔を見せた。

 指揮者の田中旭さん(72)は「保育園での演奏は自分たちがとても大切にしている活動。子どもたちの笑顔にいつも元気をもらう」と話す。「子どもにはうそはつけないから、自分たちの技術も試される。ほとんどの団員は別に仕事を持っているが、毎週金曜の夜に集まってコツコツと練習を重ねている」とも。

 団長を務めるクラリネットの鶴田孝さん(54)は「どこからも援助をもらわずに活動している楽団なので、楽器が盗まれてしまったのは本当に痛手だったが、たくさんの人が楽器の貸し出しなどの協力を申し出てくれて、ありがたかった。楽団の中にはこれに負けずに頑張ろうという気概も生まれ、今まで以上にメンバーの絆は深まった。今後もたくさんの人に喜んでもらえる演奏活動をしていきたい」と決意を話す。

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