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川崎市で「地酒復活プロジェクト」 市民がアイデア持ち寄り

川崎の地酒復活を目指して集まった参加者

川崎の地酒復活を目指して集まった参加者

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 川崎駅東口から徒歩6分のロックヒルズガーデン(川崎市幸区中幸町3)で10月18日、「カワサキ地酒復活プロジェクト」のキックオフイベントが開催された。

「田ゆう」の原材料・山田錦を作っていた持田さんとカワサキノサキの田村さん

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 川崎にはかつて「田(でん)ゆう」という地酒があったが、生産者の高齢化に伴い生産を中止していた。川崎の地酒を復活させるために必要なプロセスを見直し「市民の力」で復活を試みる目的で、一般社団法人カワサキノサキが同志を呼び掛け、4月にプロジェクト実行委員が発足した。

 プロジェクトが先月、川崎市の農商工等連携推進事業モデル事業に採択されたことを受け、同イベントでは「田ゆう」の生産に関わっていた宮前区の農家・持田正さんと幸区の「たけくま酒店」代表・宮川大祐さんらを呼び、具体的な手法やプロセスを話し合った。プロジェクトに興味を持った市民ら50人が参加し、ワークショップ形式でさまざまな提案が生まれた。

 同法人代表の田村寛之さんは「市内の食品会社やIT企業、行政職員など本当にいろいろなバックグラウンドを持つ方が興味を持ってくれた。加えて肩書を持たずに、市民として川崎の地酒を復活させたいと願う人もたくさん来てくれて、このプロジェクトに手応えを感じている」と話す。

 持田さんは「田ゆうの『ゆう』という字には『遊』や『友』といった意味が込められて、あえて平仮名にしてある。仲間たちと楽しみながら造っていた酒だが、こうやって多くの人に支持されて、また川崎の地酒が食卓に上るようになれば」とほほ笑む。

 駒沢大学4年生で「トカイナカ」をテーマに研究をしている水上亮さんは「これだけたくさんの業種の人がいると、面白いアイデアが次々に出てとても勉強になった。研究のために今後の経過も追いかけたい」と語る。この日に出たアイデアを基に、今後は地元の生産者に声を掛け、来季の田んぼの作付けなどを同法人がコーディネートしていく予定。

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