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川崎駅東口に企業主導型保育園 行政が拾い切れないニーズの受け皿に

「木のプール」には大人も子どもも大喜び

「木のプール」には大人も子どもも大喜び

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 川崎駅東口のパレール川崎ビル(川崎区東田町)4階に4月1日、企業主導型保育所「アロハパレール保育園」が開園した。1日、2日には内覧会が開かれ、保護者や子ども、行政関係者でにぎわった。

異色の経歴を持つ代表の青山さん

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 企業主導型保育園は、企業が主体となって作る従業員向けの保育施設。2016年度から政府が始めた事業で、国と企業が直接協議して運営する。認可外保育園だが、認可保育園と同等の補助金を得られる。企業利用枠と地域利用枠があり、従業員でなくても申し込むことができる。川崎市内では2カ所目。

 同保育園を経営するユーフォリアファミリーの青山正彦さん(60)は、川崎市役所から出向で富士見中学校(川崎区)の校長を務めた異色の経歴を持つ。定年退職の前の年に早期自主退職して保育事業に乗り出したのは、「子どものことを大切にしていないこの状況を何とかしたかったから」と力を込める。「公務員生活の終盤は、子どもに関わる仕事に多く携わった。そこで得た知識や、築いてきた人脈を生かして自分にできることをと思った」と話す。

 「木質化率が高い小学校の子どもたちは、あまり学校のものを壊さない」ということに注目し、園内の床材は栗の無垢(むく)板を使用。手押し車や玉入れ、パズルなどのおもちゃも木製品にこだわった。「子どもの元気な声は街に未来がある証拠。保育園は街の機能の一つとして地域とのつながりを提供していく。今後はコミュニティーカフェや子育てサロンの併設も考えている」と青山さん。すでに、大島5丁目と渡田にも同様の保育施設を開設する計画が進んでいるという。

 漫画を描いて待機児童問題の実情を伝えてきた市議会議員の小田理恵子さんは、内覧会に参加して「認可保育所を中心とする行政の保育施策では拾い切れない保育ニーズの受け皿として可能性を感じた。 同行した母親たちからも『ここに入りたい』という声が上がった」と話す。「今後このような企業主導型保育所が増えてくれば、就労意欲のある女性が社会で活躍できるようになる。保育所の足りない地域にとっては希望となるはず」とも。

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