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川崎フロンターレが東北支援イベント 「陸前高田とともに」と市長

4回実施され、いずれも大盛況となった餅まき。「当たり」が出ると各ブースからの景品がもらえる

4回実施され、いずれも大盛況となった餅まき。「当たり」が出ると各ブースからの景品がもらえる

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 川崎フロンターレは4月21日、ホーム等々力陸上競技場に鹿島アントラーズを迎えた。場外広場「フロンパーク」では、幅広い人々が楽しめるイベントを入場無料で開催するのが通例。この日は「陸前高田ランド春」として、岩手県陸前高田市の名産品、名物メニューが販売され、三陸名物「餅まき」や「Mind-1ニッポンプロジェクト募金活動」が行われ12万5,008円を集めた。

餅まき・募金活動の最終回に参加したメンバー

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 こうしたフロンターレの取り組みは、2011年の東日本大震災後に陸前高田市の小学校に「川崎フロンターレの算数ドリル」を届けたことから始まった。継続的にサッカー教室開催などを行い、2015年の「高田フロンターレスマイルシップ」を結んでから、この陸前高田ランドも開くようになった。

 フロンターレの藁科義弘社長は「一連の活動はもはや復興支援を超えた交流。陸前高田の人々とはこれからもいい仲間でありたい。一緒に日本をどんどん元気にできれば」と未来を志向した活動であることを強調する。

 11時に6度目となる陸前高田ランドがスタートすると、試合のチケットが完売とあってフロンパークには多くの人が集まり、物販ブースの前には「10時30分ごろに来て並んでいた」というサポーターの姿も。今回初めて参加した店の一つ、橋勝商店は競技場内に場所を借り「ほや炊き込みごはん」を90食ずつ7回炊いた。並べては売り切れという好調ぶりに驚く同店の橋詰智早子さんは「本当にこんなに売れるなんて。また買いに来て下さる皆さんの温かみが感じられて、それがうれしい。出店準備に奔走してくださったフロンターレスタッフに感謝したい」と話した。

 「こうして現地の方々に足を運んでいただき、自ら販売してもらうのがいい形だと思っている」と手応えを口にするのは、イベント運営を取り仕切ったフロンターレ集客プロモーショングループの若松慧さん。にぎわいの場を提供できることを喜び、12月開催予定の「陸前高田ランド冬」の成功も誓う。

 この日4回行われた餅まきと募金活動には、陸前高田の人々やフロンターレの選手、陸前高田市の鳥羽太市長、川崎市の福田紀彦市長、Jリーグの村井満チェアマンらが参加。鳥羽市長は「サッカーをプレーする人だけでなく一般の人々をも取り込んだ、陸前高田市民とフロンターレの交流。これは日本でも珍しい形ではないか」と評価。5月21日にフロンターレがサッカー教室開催のため同市を訪問する際は、昨季優勝の祝勝会をする予定だという。

 福田市長は「地域を大切にし、市民からも愛されているフロンターレが、こうして他の地域ともつながり新しい価値を生み出してくれていることを歓迎」と話し、村井満チェアマンも「フロンターレはホームタウンを大事にするクラブの代表格」と称賛、「そういうクラブが昨年優勝を遂げた。やはり支えてくれる人たちの期待を背負いながらプレーをすることが結果につながるのだと。決して競争と社会貢献が矛盾するものではないということを、これからも日本中に示してほしい」と激励した。各地域に向けて「Jリーグの動員力、発信力をどんどん活用してほしい」とも呼び掛けた。

 試合は観客2万4358人が見つめる中、フロンターレが4-1で公式戦7試合ぶりの勝利を収めた。

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