株式会社ユカリア(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三沢 英生、以下「ユカリア」)は、横浜市立大学大学院医学研究科脳神経外科学教室(主任教授:山本 哲哉)および株式会社エム(本社:東京都港区、創業者/代表取締役CEO:森 進、以下「エム」)との共同研究において、脳の老化のサインとされる「脳萎縮」の進行が加速し始める年齢は男性が40歳代後半、女性は50歳代後半であることを明らかにしました。
本研究成果については、横浜市立大学の大竹 誠医師が、2026年9月4日(金)・5日(土)に熊本市で開催された「第67回日本人間ドック・予防医療学会学術大会」において発表を行いました。
本共同研究では、ユカリアが運営する健診プラットフォーム「スマートドック」の主力サービス「スマート脳ドック」の受診者のうち、オプションとしてエムの脳健康測定プログラム「MVision health」を受診した方の脳画像5,301例(2025年5月〜2026年6月)のデータを解析。
脳萎縮の進行が加速し始める年齢を特定したほか、脳萎縮が前方領域から早期に進行する傾向にあることも突き止めました。詳細は論文化を予定しています。

これまで、加齢に伴う脳の萎縮は「誰にでも起こる自然な変化」として扱われることが多く、器質的な異常のない正常な脳の萎縮の進行がいつから加速し、どの部位から進み、男女でどう異なるのかを大規模に検証した研究の報告は限られていました。
本研究は、ユカリアが2018年のサービス開始以来、全国の医療施設へ広げてきた「スマート脳ドック」の受診基盤と、2025年5月に同サービスへ導入したエムの全脳画像解析プログラム「MVision health」を組み合わせることで、脳の状態を「異常があるか否か」ではなく「同年代と比べてどの段階にあるか」という連続的な指標として捉えることが可能となりました。
これは、脳ドックを予防医療の起点として活用する道筋を示すものです。
本研究の結果は、脳の健康管理において「脳萎縮が加速してから」ではなく「脳萎縮が始まる前から」の対応が重要であることを示唆しています。
脳萎縮が加速する年代には男女で約10年の差があり、男性ではより早期から進行することが分かりました。こうした結果から、特に40歳代から脳・血管の健康管理を意識することが重要と考えられます。
脳萎縮との関連が報告されている高血圧、糖尿病、喫煙などのリスク因子は修正可能であり、脳萎縮の進行が加速する年代を迎える前から脳の状態を把握し、これらのリスク因子を適切に管理することが、将来の脳の健康を守るための予防的な取組みの起点となります。
近年、脳の萎縮や白質病変といった加齢性変化は、認知機能低下や脳卒中のリスクマーカーとして再評価されており、MRIスクリーニングの意義は「疾患の発見」から「リスクの層別化と予防介入」へと移行しつつあります。
ユカリアは、今後も横浜市立大学をはじめとする学術機関、エムをはじめとする企業との共同研究を通じて、「スマート脳ドック」により蓄積されたデータの社会還元を進め、認知症や脳卒中の予防に向けた新たなスタンダードの確立に貢献してまいります。
・学会名
第67回日本人間ドック・予防医療学会学術大会(学術大会長:吉田 稔・日本赤十字社 熊本健康管理センター 所長)
・会期
2026年9月4日(金)〜5日(土)
・会場
熊本城ホール(熊本県熊本市中央区桜町3-40)
・発表セッション
9月5日(土)8:30〜9:30 一般演題(脳、神経、認知症1.)
・演題
「脳萎縮はいつから加速するのか ─全国大規模脳ドックデータに基づく年齢別解析─」
・演者
大竹 誠(横浜市立大学)、西牧 慧(エム)、村木 隼人(エム)、新村 和久(ユカリア)、井比 洋輔(ユカリア)、池谷 直樹(横浜市立大学)、西村 祥一(ユカリア)、森 進(エム)、山本 哲哉(横浜市立大学)
本研究は、ユカリアと横浜市立大学が2025年11月に締結した共同研究契約に基づき、「脳画像データを用いた包括的疫学研究および画像解析機械学習システムの構築」(研究責任者:横浜市立大学大学院医学研究科 脳神経外科学 主任教授 山本 哲哉)として実施されています。また、脳画像の定量評価にあたっては、ユカリアとエムが2025年9月に締結した共同研究契約に基づき、「スマート脳ドック」を通じて実施されたエムの脳健康測定プログラム「MVision health」の解析結果データを利用しています。
本研究は、横浜市立大学の倫理審査委員会の承認(承認番号:F251000008)を得た上で、個人を特定できない形に加工されたデータセットを用いており、被験者の保護に十分配慮した枠組みで進めています。
「スマートドック」は、医療機関のMRIやCTの非稼働時間を活用することで、全国の消費者がリーズナブルかつ短時間で受診可能となるシェアリングエコノミー事業で、導入している医療施設は347施設にのぼります(いずれもユカリア調べ)。主力サービスである「スマート脳ドック」は、頭部MRIおよび頭部・頸部MRAにより、脳と血管の状態を確認する検査で、2018年1月から2026年8月末までの期間で累計延べ18.4万件の検査を実施しています。スマート脳ドックは、ウェブ上で予約と問診票の事前登録を行い、受診結果をパソコンやスマートフォンで確認できるため、医療施設の滞在時間を短縮し、受付からお帰りまで約30分で完了するのが特長です。スピーディーな検査と利用しやすい価格(税込24,750円)で提供しています。撮影された画像は、放射線科専門医と脳神経外科専門医によるダブルチェックを行っています。万が一異常が確認された場合も、結果に応じて専門の医療機関をご紹介いたします。
「スマートドック」サービスサイト
https://smartdock.jp/
横浜市立大学は、5学部・6研究科・附属2病院を擁する総合大学です。国際都市横浜とともに歩み、教育・研究・医療分野をリードする役割を果たすことをその使命とし、社会の発展に寄与する市民の誇りとなる大学を目指しています。
所在地:神奈川県横浜市金沢区福浦3-9
ホームページ
https://www.yokohama-cu.ac.jp/
エムは、「未来の健康不安に、分析と対策を」をミッションに、米国ジョンズホプキンス大学医学部教授の森 進が、共同創業者の関野 勝弘とともに2021年6月に創業した企業です。頭部MRI画像をAIで解析し、認知症などのリスク因子として知られる脳の萎縮や白質病変の程度を全脳の構造単位で定量化する脳健康測定プログラム「MVision health」を開発・提供しています。
所在地:東京都港区三田2-10-6 三田レオマビル10階
事業内容:脳画像のAI解析によるデータ解析ソフトの開発、医療機関向けの導入・運用サービスの提供
ホームページ
https://www.corporate-m.com/
ユカリアは、ビジョン「ヘルスケアの産業化」・ミッション「変革を通じて医療・介護のあるべき姿を実現する」のもと、医療・介護の現場の皆様とともに、5つの変革テーマ「1.医経分離 2.病院運営の最適化 3.患者起点のVBHCの追求 4.地域包括モデル 5.現場に適したDX化」を推進するため、経営支援・運営支援、デジタルテクノロジーを中心とするソリューションの提供を行っています。
所在地:東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング 19階
事業内容:医療経営総合支援事業、シニア関連事業、高度管理医療機器事業
ホームページ
https://eucalia.jp/