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武蔵小杉周辺に「暮らしの保健室」 キックオフミーティングも

「地域包括医療」の大切さを説く西智弘医師

「地域包括医療」の大切さを説く西智弘医師

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 「武蔵小杉に暮らしの保健室を作ろう!」を合言葉に3月19日、ホテル精養軒(川崎市中原区小杉町3)で一般社団法人プラスケアのキックオフミーティングが行われる。

マンションのコミュニティスペースで開催した医療相談の様子

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 「暮らしの保健室」は、街の中に医師や看護師が常駐し、学校の保健室のように誰でも気軽に健康についての悩みを相談ができる場を作る取り組み。新宿区戸山をはじめ、さまざまな地域に設置され、全国に広がりつつある。

 同法人の代表理事である市立井田病院の常勤医師・西智弘さん(36)は、がん治療の専門医。北海道釧路市の出身で、小学校5年生の頃に医師を志した。始めはいわゆる「ホームドクター」に憧れ家庭医療を学んでいたが、研修医時代にがん治療の現場で「緩和ケア」の意義を感じ、「地域がん治療連携拠点病院」としてがん患者を地域の中で見守る取り組みを行っている井田病院に勤めた。

 2014年にNPO法人小杉駅周辺エリアマネジメントの中に「+Care Project(プラスケアプロジェクト)」を立ち上げ、「病気にならないまち」をテーマに、運動や食事で病気を予防する取り組みを行ってきた。今回はその活動を引き継ぎながらも、さらなるステップとして「病気になっても安心して暮らせるまち」を作る第一歩として街中に「暮らしの保健室」を作り、運営するために新たな法人を立ち上げた。

 西さんは「自分自身や身内が大きな病気になると、目の前が真っ暗になり悩みを誰にも話せなくなってしまう。看護師や医師と診察室の外で話をすることで、少しでも心の重荷を軽くできたら」と話す。19日のイベントでは、自らが医療現場で感じてきた「患者の持つ孤独や不安」を「社会とのつながり」で解決できる仕組み作りについて話す予定という。

 当日は、同法人の顧問であるピープルデザイン研究所の須藤シンジさんが「プラスケアに期待すること」を話すほか、武蔵中原駅近くで「暮らしの保健室」の場となる予定のコミュニティースペースを建設している太陽住建の河原勇輝さんが「場の可能性」について話す。「私たちが話すだけでなく、地域の人がこのような取り組みについてどんな期待を寄せるかを知る機会にもしたい。私自身も同じ地域に住む人間。興味を持ってくれたらぜひ参加して、自分の住む町の医療にどうあってほしいか、率直な声を聞かせてほしい」と西さん。

 「暮らしの保健室」の稼働は4月1日からを予定。中原区内に3カ所ほどのコミュニティースペースを巡回しながら始める。利用無料だが、会費を払うと「看護師アドボカシーサービス」(重篤な病気について看護師が患者家族と医師との間に入り、病状説明や精神的サポートをする)「患者付き添いサービス」「フィナンシャルプラン作成」など、より充実したサービスを利用できる。

 キックオフミーティングは13時~15時。入場無料。問い合わせは同法人(TEL 044-863-8444)まで。

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