川崎フロンターレが1月23日、2021年の新体制発表会見をオンラインで配信した。新型コロナウイルス禍による苦しい経営状況を吐露しながらも、新たなキャッチフレーズ「New Front.」を掲げ、フロンティア精神を持って新たな境地に挑もうとファン、サポーターに呼び掛けた。
当初はカルッツかわさきに観客を迎えて実施する予定だったが、緊急事態宣言を受けてオンライン配信へと変更した。2部構成の第1部であいさつした藁科義弘社長は、コロナ禍でさまざまな制限のある中でJ1リーグと天皇杯を制した2020シーズンを振り返り、「これまでとはまた違った意義のある優勝、価値のある優勝」としてファン、サポーターに謝意を伝えた。一方で、会社としては苦しい情勢であることを吐露した。等々力陸上競技場の入場制限により入場料収入や物販収入が大きく落ち込み、売上は25%減の52.4億円、営業損益は前年比14億円減少のマイナス5.8億円を見込む。
「DAZNマネー」と呼ばれる理念強化配分金の廃止、スポンサー企業の経営情勢悪化、ホームゲームの入場者制限の継続など、2021シーズンも引き続き環境は厳しい。藁科社長は「『New Front.』の下、負けない姿勢を示し、元気を届ける」と約束した。
後半では、2020シーズン限りで引退した中村憲剛さんも「元プロサッカー選手」として登場。FRO(フロンターレ・リレーションズ・オーガナイザー)として活動していくことを発表した。FROという役職は、本人が考案したもの。自身のSNSでは「育成のサポートをメインに活動していきたい」としつつ、「フロンターレに関わる全てのところにおいて円滑にいくように立ち回るイメージ」と説明している。
2021シーズンの背番号も発表。中村さんが2004シーズンから2020シーズンまで背負った「14」の行方にも注目が集まったが、ひとまず今季は空き番号となった。これについて中村さんは会見後のトークショーで「『自分が絶対着たいんだ』という強い気持ちを持った選手がいれば着てほしい」との考えを示した。