
診断にたどり着けないまま命を落とす希少疾患があります。慢性活動性EBウイルス病(CAEBV)もその一つです。
学校法人聖マリアンナ医科大学は、この希少疾患CAEBVの正しい診断と治療を日本から世界へ広げるための国際シンポジウム開催を実現するクラウドファンディングを実施しています。本プロジェクトは、研究者や医療者だけでなく、患者さんやご家族、そして社会全体とともにCAEBVの未来を切り拓く取り組みです。
本プロジェクト(https://readyfor.jp/projects/caebv)は、2026年3月に東京科学大学で開催予定の第1回CAEBV国際シンポジウム(CAEBV International Symposium 2026)の実施を支援することを目的とし、未来の医療を前進させるためのものです。皆さまからの温かいご支援を心よりお願い申し上げます。
※本プロジェクトは、皆さまのご支援により第1目標金額300万円、そして第2目標金額500万円を達成し、現在はネクストゴール700万円に挑戦しています。
- プロジェクト概要
タイトル:希少疾患CAEBVの診断と治療を日本から世界へ広げたい
CAEBV(慢性活動性EBウイルス病)は、T細胞またはNK細胞にEBウイルスが感染して発症する極めて稀な疾患です。進行し、命にかかわる病気ですが、病気の起こる原因は未解明で、根治療法は造血幹細胞移植(いわゆる骨髄移植)しかありません。これまでの報告は日本や中国などのアジアに集中してきましたが、欧米からの報告が増えています。しかし、世界的には疾患の認知度は低く、多くの患者が適切な診断や治療が受けられていない可能性があります。

CAEBVの治療別生存率 Blood Adv. 2020; 4(13):2918
聖マリアンナ医科大学では、国内外の研究者と協力しながら、レジストリ構築、新規診断技術の開発、分子標的治療・造血幹細胞移植治療の研究など、厚生労働省や文部科学省の科学研究費、AMED研究費等による研究事業を通じ、多くの成果を蓄積してきました。これらの研究成果を社会へ広く還元し、国際的な医療基盤の整備につなげるためには、世界中の医師・研究者が知見を共有する場の創出が不可欠です。
2026年3月に世界の医師・研究者らが一堂に会する初の国際会議を開催し、日本発の診断・治療モデルを国際標準として発信していきます。
- クラウドファンディングを行う理由
CAEBVは極めて稀な疾患で、国際的に継続的な議論を行う専門の研究会や国際学会が存在しないため、国際的な連携の基盤づくりから立ち上げる必要があります。国際シンポジウム開催には、
・海外研究者の招聘
・若手研究者の参加支援
・会議運営・通訳・広報
など、公的研究費だけでは補いきれない費用が生じます。そのため、国際的な研究・開発・診療体制を整備する第一歩として、広く皆さまからのご支援をお願いしております。
また、募集期間を通して、皆さまからのご支援と情報拡散がプロジェクト成功の鍵となります。
- クラウドファンディング概要
公開開始:2025年11月25日 10:00
期間:59日(~2026年1月23日)
第1目標金額:300万円
第2目標金額:500万円
シンポジウムの開催に必要な基本費用(会場費と日本国内在住招聘者と11名の海外若手招聘者の支援費用)500万円を確保できました。
- ネクストゴール目標金額:700万円
- ネクストゴールで実現したいこと
1. 海外若手研究者の受け入れ枠を広げ、意義のある議論を深めたい
本シンポジウムには、欧米・アジアなど世界各国から、CAEBV研究に関心を持つ多くの若手研究者が参加を希望しています。ネクストゴールでは、こうした若手研究者の 渡航費・滞在費を支援 し、より多くの人が日本に集い、学び、国際的な仲間をつくれる環境を整えます。
さらに、多国籍の参加者同士が 専門的で実りある議論を行うため、日英の同時通訳を導入し、言語の壁を越えて対等に意見を交わせる場を実現します。
支援額に応じて、実現できる内容は次のように広がります。
300万円達成時:海外若手研究者 5名
400万円達成時:海外若手研究者 9名
500万円達成時:海外若手研究者 11名
600万円達成時:海外若手研究者 13名
700万円達成時:海外若手研究者 13名+同時通訳の導入
2. 来年度以降も国際連携を継続するための準備を進めたい
ご支援が広がることで、
・これまで参加を断念していた海外の若手研究者が来日できる
・次世代の診断・治療につながる国際共同研究が動き出す
といった、シンポジウム後につながる具体的な成果が生まれます。本プロジェクトは、1回限りのイベントではなく、CAEBV研究と治療開発を国際的に前進させるための第一歩です。
- 新井文子主任教授(プロジェクト実行者)コメント
「CAEBVは、患者さんやご家族にとって、『情報がない』『相談先がない』という苦しさを伴う疾患です。このシンポジウムをきっかけに、世界中で正しい診断と治療が共有される未来をつくりたいと考えています。」
- 学校法人聖マリアンナ医科大学
所在地:神奈川県川崎市宮前区菅生2丁目16番1号
設立:1971年
建学の精神:「キリスト教的人類愛に根ざした生命の尊厳」
コーポレートサイト:https://www.marianna-u.ac.jp/
【用語解説】
? EBウイルス(Epstein-Barr virus:EBV)
ヘルペスウイルス科に属するウイルスで、多くの人が子どもの頃に感染します。通常は一過性の感染で症状は軽いか、症状はありませんが、まれにウイルスが免疫細胞(B細胞やT細胞、NK細胞)に持続感染し、さまざまな疾患を引き起こすことがあります。EBVは世界人口の9割以上が感染しているとされますが、その多くは症状のない、いわゆる潜伏感染です。
? B細胞・T細胞・NK細胞(免疫を担う主要なリンパ球)
B細胞:
抗体をつくり、細菌やウイルスなどの外敵を排除する役割を担う細胞。
T細胞:
感染した細胞を直接攻撃したり、免疫反応全体を調整する「司令塔」となる細胞。
NK細胞(ナチュラルキラー細胞):
がん細胞や感染細胞を即座に攻撃する、自然免疫の要となる細胞。
EBウイルスは、これらのうち特にT細胞やNK細胞に感染すると、慢性活動性EBウイルス病(CAEBV)などの重い疾患を引き起こすことがあります。
? EBウイルスが関係する主な疾患
慢性活動性EBウイルス病(CAEBV):
T細胞またはNK細胞にEBウイルスが感染し、発熱や肝障害、血球減少などを慢性的に繰り返す希少難治性疾患。
EBウイルス関連血球貪食症候群(EBV-HLH):
感染細胞による過剰な免疫反応で、発熱・肝脾腫・血球減少が急激に進行する重症疾患。EBウイルスが主にCD8陽性T細胞に感染しておこるとされています。
移植後リンパ増殖症(PTLD):
臓器移植後の免疫抑制状態で、EBウイルスが主にB細胞に感染して腫瘍化する疾患。
- お問い合わせ
・研究内容、医学的内容について
聖マリアンナ医科大学 血液・腫瘍内科学 新井文子
E-mail:ara.hema@marianna-u.ac.jp
聖マリアンナ医科大学 血液・腫瘍内科学 安井 寛
E-mail:hiroshi.yasui@marianna-u.ac.jp
・国際シンポジウムについて
CAEBV国際シンポジウム実行委員会
E-mail:caebv2026@gmail.com
・取材について
当シンポジウムについて当日、および事前の取材のお申込みを受け付ける予定です。
詳細および申込方法については準備が整い次第、ホームページに掲載します。(https://caebv.jp/symposium/)