JR浜川崎駅から徒歩4分の「川崎ファクトリー」(川崎区鋼管通4、TEL 044-344-3640)で9月22日、詩人の中原中也を題材にした演劇公演「打つも果てるも火花の夢 中原中也のメルヘン」が行われる。
中也の詩の朗読と笛の生演奏を取り入れながら、小林秀雄、長谷川泰子との三角関係を描く同演目。小林秀雄の文献などから物語を構成し、演出をする牧山祐大さんが脚本に書き起こした。「中原中也の詩は劇的な生と死を柔らかい言葉の中に閉じ込めている。それらが俳優の声と演奏で立ち上がってくるのが見どころ」という。
牧山さんをはじめ、出演する俳優や演奏家は普段静岡で演劇活動をしているが、同施設を拠点に活動する劇団「カワサキアリス」の招請で、川崎での公演が実現した。
同劇団を主宰する演出家のAshさんは「彼らの所属している劇団SPAC(静岡県舞台芸術センター)は海外では珍しくないが日本では数少ない公立の劇団。まちとアートの共同作業を日常的に行っており、川崎でも参考にすべき活動が多い。演劇にもそういう役割や効果があることを色々な人に知ってもらえれば」と話す。
同施設を運営する渡辺治建築都市設計事務所の渡辺治さんは「川崎ファクトリーにはさまざまなアーティストが出入りして、地域に開いた活動をしている。公演が終わった後の交流会で新たな人脈や趣味、生きがいを見つける人もいる。この機会に気軽に足を運んで、アーティストや地域の人と交わってほしい」と呼び掛ける。
公演は16時から(開場は15時30分)。入場無料(投げ銭制)、終演後に交流会(別途会費制)有り。