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武蔵小杉で「川崎の保育所について考える会」が署名活動 1歳児保育枠拡大求める

4・5歳は定員割れ、1歳クラスは9割の園で順番待ち

4・5歳は定員割れ、1歳クラスは9割の園で順番待ち

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 武蔵小杉で9月26日、川崎市の有志団体「川崎の保育所について考える会」が、市内認可保育施設の1歳児童向け保育枠拡大を求める街頭署名活動を行った。活動は、市内で定員割れとなっている4・5歳クラス向けのスペースなどを、保育ニーズが高い1歳クラスに活用するよう川崎市議会に求めるもの。同会は7日に1203人分の署名とともに議会に請願し、30日まで署名を集める。

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 ベビーカーを引く女性の姿も目立つグランツリー武蔵小杉の前で「川崎市の待機児童問題について署名活動を行っています」と、声をあげる同団体。活動を怪訝に見る人もいるが、「待機児童」のキーワードに興味を示す女性の姿も少なくはない。「この会の活動をはじめて知った。ママ友にも教えたい」と、同会の請願内容をまとめた用紙を携帯電話で写真を撮る若い母親の姿もあった。この日、2時間で339人分の署名が集まった。

 川崎市はマンション林立とともに子育て世帯の転入が相次いでおり、未就学児童数は2006年以降右肩上がり。保育需要の高まりを受け、市は認可保育園や小規模保育事業所の新設を進めている。
 4・5歳クラスの保育ニーズはおおむね満たされており、新設園の中には在籍児童数が定員13人に対したった1人など、定員を大幅に下回る園もある。市内全体では、4・5歳向け757人分の枠が利用されていない。

 一方、対策が求められるのは、育休明けの1歳クラス。市内全域の園で利用申請者が定員を大幅に上回る状況が何年も続いている。16年8月末の時点で、9割の保育施設に待ち児童がいる。ある園では、定員10人の枠に対し、90人が順番を待っている。

 同会の代表女性(32)は「今ある資源を効率よく活用してもらうための請願」と説明。認可保育園では、定員に沿った保育士数や保育スペースが当てられているため、定員割れの園では活用されていない人・スペースがあるとみられる。同会によると、請願が承認されれば、少なくとも108人の児童が新たに保育施設に入所できる。

 これまでに集まった署名の数は1959人。子育て世帯だけでなく、子育てを終えた人の署名も多く、地域全体で保育環境に関心を持っていることがうかがえる。請願は10月4日に付託先の委員会が決まり、10月半ばに審議される見通し。今月30日まで、郵送などを通じて署名を集めている。署名用紙はホームページよりダウンロードできる。

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