川崎のホテル「オンザマークス」(川崎区小川町)が6月、地元のサイクルショップ「ベックスイソヤ」(川崎区元木1)と連携してレンタサイクルを始めた。
川崎市南部は観光客にとって見どころが多いが、南下するにつれ土地が広がっており、「横の移動」が難しい。バスも川崎駅を中心に南北に移動するものが多く、観光客にとっては言葉の問題もあり利用しづらい。同ホテルでは、オープン当初3%ほどだった外国人利用客の割合が15%ほどまで増えている傾向も踏まえ、「海外からの観光客にも気軽に川崎の街を隅々まで楽しんでほしい」とレンタサイクルの導入を決めた。
近隣の同サイクルショップの協力を得て、クロスバイク3台を宿泊客限定で無料で貸し出す。同ホテルでは月2回、自転車ファンが集まり多摩川沿いを走るイベントも行っているなど、以前から自転車を活用した観光客へのサービスに着目してきた。「川崎の南側は土地も平たんで、自転車での移動がとても快適だった。川を越えるとすぐに東京にも行けるし、無料で自転車が借りられてうれしい」と、始まったばかりの同サービスを利用したフィリピン系アメリカ人の男性は笑顔を見せていた。
運営を担当するスタッフのボニック・ルーカスさんは「現在は試験的導入という感じだが、お客さまの反応はいい。サイクルマップなど、併せて利用できる環境も整えているので、宿泊するだけでなく、川崎の街をもっと楽しんでほしい。いずれはオリジナルのサイクリングツアーなども企画できれば」と意欲を見せる。