鹿島田の北野書店(川崎市幸区新塚越、TEL 044-276-9100)が7月6日から、地域住民向けに企画した「夏のイベント2017」を開催する。
1947(昭和22)年に下平間で創業した同店。2年後に鹿島田駅前へ商店街がオープンすると同時に鹿島田に移転し、街の書店として営業してきた。1976(昭和51)年には同地に本社ビルを建て、レコードなども扱った。2009年にショッピングビル「ルリエ新川崎」の一角に店舗を移し、現在の店舗となった。
「夏のイベント」は同店が7年ほど前に、本が好きな子どもたちが増えてほしいという思いで始めた。始めは読み聞かせなどの小さなイベントを数回開いていたが、年々規模が拡大し、今年はワークショップや音楽ライブなど9つの企画を展開する。
同店の総務部に勤める横田和樹さんは「もともとは自分も、本が好きな人間ではなかったが、大学時代にアルバイトをした縁で同店に就職した。理系だったので、データの管理などバックヤードでの仕事を主にしていた。この店でいろいろな本に触れるうちにだんだんと本や、地域への興味が出てきた」と話す。
店内には、地域にゆかりのある著者の本や、川崎を扱った本を集めた「かわさき本」のコーナーも設ける。絵本作家になる前に長年鹿島田に住んでいたかこさとしさんのフェアーを定期的に行ったり、市内の大学から積極的にインターンを受け入れたりと、地域と連携した取り組みを継続的に行う。
横田さんは「書店で本を買う人が減っているという業界全体の課題があり、それを解決するためには、『楽しい本屋』にしなければならないと思った。始めはイベントを行うには採算も考えなければと思っていたが、今はそれよりも、長い目で本を好きな人を増やしたい、ここに来れば楽しいという場所にしたいという思いが強い。共感してくれる地元の作家さんなどが手伝ってくれて、年々大きなイベントに成長しているので是非足を運んで」と呼び掛ける。
主なイベント内容と開催時間は次の通り。「ジャズピアニスト 水岡のぶゆき インストアライブ」(7月16日、18時30分~20時30分、無料)、「幸区の絵本作家あさみいくよのよみきかせ」(7月16日、15時~15時30分、無料)、「ボタニカルキャンドルプレートワークショップ」(7月23日、24日、10時30分~12時、13時30分~15時、参加費1,000円、要予約)、「イラストレーターはまむらゆうの漢字のお話」(8月4日、13時~、14時~、15時~、参加費無料、要予約)、「落語とえほんの読み聞かせ」(8月5日、14時~15時、無料)、「押し花を使って制作をしてみよう!」(8月18日、19日、10時~12時、13時~16時(1人10分程度、参加費500円、要予約)ほか。