・スタートアップなどの企業が自由に使えるレンタルクリーンルーム、細胞医薬品の治験薬製造が主な対象
・Minaris Advanced Therapiesが品質保証サービスを提供し、クリーンルームユニットは日立グローバルライフソリューションズ株式会社が納入
・ユーザー候補のアロイ・セラピューティクス株式会社が、施設の設計とオンデマンドサービス方式の製造・品質管理のシステム構築に知見を提供
アイパークインスティチュート株式会社(以下「アイパークインスティチュート」)は、Minaris Advanced Therapies(以下「MAT」)および、日立グローバルライフソリューションズ株式会社(以下「日立GLS」)との協業により、湘南ヘルスイノベーションパーク(略称:湘南アイパーク)内にGMP(※1)/GCTP(※2)に準拠した「細胞培養加工施設」(CPC:Cell Processing Center)を新設し、2025年11月に稼働することを本日、発表しました。
本施設の管理と品質保証のサービス提供はMATが、クリーンルームユニットは、初期導入が容易で、増設もしやすいモジュール型CPCを日立GLSが納入します。またアロイ・セラピューティクスがユーザー候補の立場から、施設の設計とオンデマンドサービス方式の製造・品質管理のシステム構築に知見を提供しました。
※1 医薬品や医薬部外品の品質管理の基準を意味する “Good Manufacturing Practice” の略
※2 再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令
【 施設新設背景 】
細胞医薬品の研究開発では、前臨床研究から初期製造へのスムーズな移行が非常に重要であり、スタートアップなどの企業ごとに様々な製造戦略が立てられます。自社でGMP/GCTPに準拠する「細胞培養加工施設(CPC)」を設けて運営するには、高額な費用と専門性の高い人材が必要となります。また、開発初期からCDMO(※3)に製造を委託する場合、費用と時間の面が開発スピードや資金調達に不釣り合いとなる状況もあります。このような背景から、製造戦略の第三の選択肢として、オンデマンド型レンタルCPCが英国や米国では10年以上前から利用されてきた実績があります。今回はMATと提携することで、臨床後期・商用製造へのシームレスな製造戦略オプションを提供することも可能となります。湘南アイパークには細胞治療に取り組むスタートアップなどの企業が複数入居し、研究を進めています。本施設を新設することで、入居企業のみならず、アジア全域の細胞医薬品・再生医療等製品に取り組む企業の製造戦略に新しい選択肢を提供することが可能となります。
※3 医薬品製造受託機関を意味する“Contract Development and Manufacturing Organization”の略
【 「細胞培養加工施設」 概要 】
完成イメージ図
施設利用に関するお問い合わせ
Mail: Shonan-Health-Innovation-Park@shonan-ipark.com
今回の施設の新設にあたり、アイパークインスティチュートの代表取締役社長 藤本利夫は次のようにコメントしています。
「細胞治療薬を開発するスタートアップや企業は、今回新設するGMPグレードに準拠した賃貸型の『細胞培養加工施設』により、研究から製造へのシームレスな技術移行が容易になります。さらに研究の進展に応じた柔軟な投資判断が可能になるため、参入障壁を下げて研究が活性化し、新規治療薬の発展に大きく貢献できると考えています。」
Minaris Advanced Therapiesについて
Minaris Advanced Therapiesは、再生医療等製品に特化した医薬品製造受託機関(CDMO)としてグローバルに展開するリーディングカンパニーです。Minaris Advanced Therapiesグループは、25年以上の再生医療等製品のCDMOとしての経験値を有し、米国、ヨーロッパ、アジアにわたる68,000m2以上の施設を備え、7,500以上のGMPバッチを製造およびリリースしています。グローバルネットワークを通じて、初期段階の開発、臨床試験、商業製造までサポートします。科学的専門知識と製造および試験サービスを組み合わせることで、安全で効果的な治療法をより迅速かつ効率的に患者様に届けることを支援します。MATはAltaris.LCCの100%子会社です。
公式HP: https://www.minaris.com/
公式SNS: LinkedIn
日立グローバルライフソリューションズ株式会社について
日立グループは、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。その中で、日立グローバルライフソリューションズは、パーパスとして「ひとりひとりに、笑顔のある暮らしを。人と社会にやさしい明日を。私たちは、未来をひらくイノベーションで世界中にハピネスをお届けします。」を掲げています。家電品、空調機器、設備機器や、エンジニアリング・保守サービスを提供するとともに、フットプリントとプロダクトのデータから価値を創出するLumada事業に注力し、ワークトランスフォーメーションおよびグリーントランスフォーメーションの実現にOne Hitachiで貢献していきます。
詳しくは、日立GLSのウェブサイト( https://corp.hitachi-gls.co.jp/ )をご覧ください。
アイパークインスティチュート株式会社について
アイパークインスティチュート株式会社は、産業ファンド投資法人(IIF)、武田薬品工業株式会社、三菱商事株式会社を主要株主として、2023年4月に事業を開始しました。2018年より武田薬品が担っていた湘南ヘルスイノベーションパーク(神奈川県藤沢市、略称:湘南アイパーク)の運営事業を2023年に承継し、施設の運営・管理のほか、イノベーション創出促進、技術交流・研究連携促進など、ライフサイエンスエコシステムの構築・活性化のための事業を行っています。当社に関する詳しい説明は こちら をご覧ください。
湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)について
湘南アイパークは、2018年4月に武田薬品工業株式会社が自社研究所を外部に開放して誕生した、日本初の製薬企業発サイエンスパークです。現在は武田薬品から独立したアイパークインスティチュート株式会社が運営を行っており、幅広い業種や規模の産官学が結集してヘルスイノベーションを加速する場となることを目指しています。現在、製薬企業のみならず、次世代医療、細胞農業、AI、行政などの企業・団体が集積し、約190社、約2500人(2025年5月現在)のエコシステムを形成しています。
公式HP: https://www.shonan-ipark.com/
湘南アイパーク最新の入居/メンバー企業・団体は こちら
公式SNS: YouTube / Facebook / X (旧Twitter) / LinkedIn