プレスリリース

鎌倉 三河屋本店、8年に渡る官民学が挑んだ全国初となる国の登録有形文化財・防火地域内の木造建築の保存活用の実現

リリース発行企業:株式会社Daiyu

情報提供:

株式会社Daiyu(所在地:神奈川県鎌倉市、代表取締役:宮腰真里)と明治33年創業の合資会社三河屋が共同で進めてきた『鎌倉 三河屋本店 保存活用プロジェクト』が、2026年春、ついに完成します。
日本で初めてとなる、建築基準法の適用除外制度を活用し、保存と活用を両立させた結婚式・レストラン・酒屋としてグランドオープンいたします。
三河屋本店は明治33年(1900年)創業の老舗酒屋であり、若宮大路唯一の木造文化財。しかし、防火地域指定による厳しい規制下で建物維持が困難となっていました。
この課題解決に向け、2018年より鎌倉市、消防署、東京大学をはじめとする専門家との官民学の緊密な連携により、8年に渡る保存活用プロジェクトを展開。このたび全国初となる国登録有形文化財かつ防火地域内木造建築の建築基準法適用除外を実現しました。今回の取り組みは、今後全国の自治体や事業者が歴史的建造物を活用する際のベンチマークとしても注目されています。


昭和2年に建造。母屋と蔵が国の登録有形文化財に指定され、鎌倉市の景観重要建築物等にも認定されています




本プロジェクトの3つの特長と社会的意義

1.全国初:防火地域内・文化財木造建築への建築基準法適用除外
文化財の保存活用を目的とした建築基準法第3条第1項第3号に基づき、鎌倉 三河屋本店は、防火・耐震・構造に関する現行規定の一部を、代替措置のもとで適用除外とする全国初の事例となりました。
本制度の活用により、防火地域という厳しい制限下でも、安全性と文化的価値の両立が実現され、全国の自治体・事業者にとっての先進的なベンチマークとなります。
社会的意義:
・国登録有形文化財かつ防火地域内木造建築で初の適用除外
・防火・耐震・構造の各分野で“法同等以上”の安全基準を個別に設計・検証
・歴史的建造物が集積する鎌倉において、文化財保存の新たな道筋を提示


2.鎌倉の歴史・景観を次世代へつなぐ
鎌倉の表玄関である若宮大路に唯一残る木造文化財を保存・活用する本プロジェクトは、単なる建築物の保全にとどまらず、鎌倉の歴史を引き継ぐ挑戦です。明治33年創業の老舗酒屋としての歴史、昭和初期建築の母屋と蔵の建築文化、そして街の象徴を、酒屋事業を継承し、結婚式・レストランへと再構築します。
社会的意義:
・若宮大路に現存する唯一の木造文化財を保存
・明治から続く三河屋本店の酒屋事業も継承し、歴史・商いの文化を未来へ
・建築美・街並み・風情を生かした観光誘客と地域経済の活性化に貢献
・歴史的建造物を活かした持続可能な地域活性のモデル
・同プロジェクトに参画した教授から、「ゆくゆくは重要文化財になりえる建物」と評価


3.行政・学術・民間の垣根を越えた官民学協働モデル
本プロジェクトは、構造分野の専門家として国立大学法人東京大学、歴史分野の専門家として国立大学法人横浜国立大学の教授らが鎌倉市の専門家委員会として参画。さらに消防・避難安全性について消防署、耐震性能の第三者評定として日本建築構造技術者協会など、各領域のプロフェッショナルが協力して検証を行いました。
「文化的価値の保全」と「法令上の安全性」という二律背反する課題を官民学が一体となって解決し、全国初となる防火地域内、国の登録有形文化財である木造建築の建築基準法適用除外を実現。極めて条件の厳しいエリアにおいても保存と活用が可能であることを示し、全国の歴史的建造物の保護と利活用の新たな指標を提示する先駆的な官民学協働スキームとなりました。
社会的意義:
・行政(鎌倉市・消防署)、学術(東京大学・横浜国立大学)、民間(日本建築構造技術者協会・株式会社Daiyu・三河屋本店)の高度かつ緊密な連携による検証と合意形成
・「文化財保存」と「防火・耐震などの法的安全性」を協働で両立した画期的な事例
・全国の文化財建築の保存・活用に向けた模範事例として、広く波及効果を持つ取り組み


建設当時の様子を忠実に再現

床の間、欄間など当時の意匠を残しています



『鎌倉 三河屋本店』が提案する3つの体験価値

1. 建設当時の素材をそのまま生かした「石と木の蔵」での結婚式
昭和初期に建造された石と木の蔵(国の登録有形文化財)を舞台に、日本の結婚式の原点ともいえる挙式「祝言」を執り行います。建物の格式と趣を生かした挙式から披露宴まで、特別な一日を鎌倉 三河屋本店でお過ごしいただけます。また、鶴岡八幡宮での神前式後の披露宴会場としてもご利用いただけます。

昭和2年建造の蔵。国の登録有形文化財に指定。当時の石や木をそのまま活用しています



2. 肉割烹を楽しむレストラン
日本料理の繊細な技術やフレンチなど異なるジャンルのエッセンスを加えた、肉を主役とした肉割烹コースを提供いたします。「牛」「豚」「鶏」「馬」「羊」など厳選した肉と鎌倉野菜や産地直送の旬の素材を歴史ある空間で堪能する贅沢なひとときをお届けします。





3.創業120年の歴史ある酒屋の継承
明治33年(1900年)創業以来、鎌倉の発展とともに歩んできた三河屋本店の酒屋事業を継承し、厳選された日本酒を取り揃えます。地元鎌倉への配送サービスも継続し、120年の伝統を繋いでまいります。

建設当時をそのまま残している母屋。昭和2年に「大黒政宗」と「桜政宗」から寄贈された看板も飾っています



合資会社三河屋について
明治33年(1900年)に創業。
明治時代、鎌倉は御用邸が造営されたことをきっかけに、政界人や財界人、文豪たちが集まり、別荘や旅館、料亭が軒を連ねる街として賑わいを見せるようになりました。ちょうどその頃、三河屋本店の当主が鎌倉の発展性にいち早く目をつけ、この地に移り住みます。以降、旅館や料亭をはじめとした多くの施設、さらに小説家などの個人宅の他、鶴岡八幡宮や建長寺に代表される神社仏閣にもお酒を販売・配送する事業を手がけ、鎌倉の発展を支えてきました。

初代当主の福蔵氏とかね氏

昭和15年頃の写真。梁がつややかな様子が伝わってきます




■鎌倉 三河屋本店の工事概要
工期       着工 2024年11月   竣工 2026年 春(予定)
所在地         神奈川県鎌倉市雪ノ下1丁目9-23
酒屋運営        合資会社三河屋
結婚式レストラン運営  株式会社Daiyu
設計者         アラキ+ササキアーキテクツ
 構造設計       高橋建築工房、北構造設計事務所
 設備設計       ZO設計室
施行 建築       斉藤建設
敷地面積         605平方メートル
延床面積 460平方メートル
階数地上         2階
ホームページ      https://mikawaya-kamakura.jp/

鎌倉の歴史的建造物を活用した本プロジェクトを通じて、日本の伝統的文化財を未来へとつなぎ、より豊かで持続可能な地域社会を実現していきます。
ぜひ社会的価値の高い本プロジェクトの意義を広くご紹介いただければ幸いです。


食事場所から見える庭の様子

ウェイティングスペース



【株式会社Daiyuについて】
鎌倉市の景観重要建築物等に指定される『萬屋本店』を運営。『人生の通過儀礼』としての結婚式を提供し、『ウェディングパーク 神奈川県口コミ総合ランキング』で3年連続1位を獲得。
会社名:株式会社Daiyu
所在地:神奈川県鎌倉市長谷2-11-46
代表取締役:宮腰真里
ウェブサイト:https://daiyu-inc.com/

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