新丸子駅東口にある「SHIBA COFFEE(シバコーヒー)」(川崎市中原区新丸子東1、TEL 044-863-7223)が3月17日、5周年を迎えた。
店主の柴田剛さん(46)は群馬県太田市の出身。大学生の時に上京し、卒業後は洋服店に勤めた。もともとコーヒーが好きだったことと、客層を限らずにいろいろな人に会えるという視点からカフェ開業を考えるようになり、30歳の時に大手コーヒーチェーンに転職。「その店では、産地開拓をして世界トップレベルの豆を仕入れるなど、あの当時の日本では他にないほどしっかりと豆を扱っていたので、自然と豆に目が利くようになった」と振り返る。コーヒーの焙煎(ばいせん)やハンドドリップなどの勉強には、有名店がファンに向けて開いている「セミナー」が役に立ったという。
渋谷への通勤のために元住吉に住んでからは中原区内を転々とした。一番長く住んでいたことと、再開発の進む武蔵小杉のにぎわいにも期待を込め、新丸子エリアで物件を探し、ビル1階の角に好物件を見つけ42歳で開業。「この通りは、昔は飲み屋ばかりだったので一瞬ためらったが、他にも新しい店ができ始めていたし、いい物件だったから決めた。今では、シバコーヒーができて雰囲気が変わったと言ってもらうこともあり、うれしい」と柴田さん。
新丸子の個人店で作る「新丸子ゴールデンルートクラブ」や商店街などにも積極的に参加し、コーヒーの飲み比べなどのセミナーも開くなど、地域と連携した店づくりに力を入れる。柴田さんは「もともと、地域に根差した店をやりたいと思っていた。店の顔になるブレンドができた時、新丸子ブレンドと名付けたのもその思いから。この5年間は夢中でやって、気付けば地域の仲間も増えていて、何とか地元に溶け込んできたという実感がある」と話す。
お祝いを言うために立ち寄ったという山本弘子さんは「近所に住んでおり、ほとんど毎日利用しているので、休みの日には困ってしまう。やはり好きなのは新丸子ブレンド。家人も愛飲していて、たまに違う銘柄を買うと、ばれてしまう」と笑う。
今後について、柴田さんは「地域密着を進めつつ、範囲を広げて『かわさきコーヒーフェスティバル』ができたら」と夢を描く。「かつて自分もコーヒー店巡りをしていろいろな街に足を運んだので、今度はうちの店が、シバコーヒーがあるから新丸子に行ってみようと他地域から人を呼び込めるシンボルのような店になれるよう頑張りたい」と意気込む。
5周年記念として18日~20日の3日間、コーヒー豆を3割引で販売する(この間は店内喫茶とテークアウトは休業、21日から通常営業)。営業時間は11時~20時。木曜定休。