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武蔵小杉の洋服店「ナクール」が45周年 2代目店主、客との関係「財産」

店主の折橋知治さん

店主の折橋知治さん

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 武蔵小杉の法政通り商店街にある洋服店「ナクール」(川崎市中原区小杉町3、TEL 044-722-3182)が4月、45周年を迎えた。

創業当初の店舗の写真

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 店の開店と同じ年に生まれたという折橋知治さんが店主を務める同店。創業者である父親の輝彦さんは、他の洋服店からのれん分けする形で独立し、店を開いた。当初から徹底して「メンズファッション」にこだわり、おしゃれを楽しむ地域の男性に支持されてきた。1998年に知治さんが店を継ぎ、さらに地域とのつながりを深めている。

 「客層は30~40代を中心に、10代や、70代のお客さんも来てくれるなど幅広い。インターネットなどで気軽に服が買えるような時代だが、リアルな店舗でしかできない、店の人間と話しながら好きな服を体にあてて選ぶ時間を楽しんでほしくて21時まで店を開けている」と知治さん。「会社帰りにふらっと寄って、一杯飲む代わりに今日会ったことなどを話しながら服を買っていってくれる人もいる」と話す。

 小さい時から洋服に囲まれて育った知治さんは、地元の友人たちの間でもファッションリーダー的存在だった。「おしゃれに目覚める中学生のころなどはジーンズを探している友人たちを店に連れて来ることもあった」と振り返る。「ファッションは、他人の視線をコーディネートするもの。若いうちは『自己表現』を大切にもするけれど、おしゃれの基本は『思いやり』」という哲学を持ち、通ってくれる顧客の顔を思い出しながら服の仕入れをする。

 現在は、母親の奈津子さんと協力しながら店を切り盛りする。地域との連携にも力を入れ、新丸子の写真館「写真道場」(中原区新丸子東1、TEL 044-433-7212)とコラボレーションしたプロモーションを展開。同店の洋服を着用した地元の男性をモデルにして宣材写真を撮る。3カ月に1度、着なくなった服を集めて社会貢献につなげる「洋服ポスト」も実施する。

 「こういう活動をしていると、お客さんの中から手伝ってくれる人も出てきて、ダイナミックなコミュニケーションが生まれる。長年通ってくれているお客さんとの関係は、お互いに財産みたいなものだと思っている。ファッションを通じて、成長を見守りあえる関係を大切にしていきたい」と知治さんは笑顔を見せた。

 営業時間は10時~21時。木曜定休。

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