川崎に10月14日、もんじゃ・お好み焼き店「輪(りん)」(川崎市川崎区藤崎4、TEL 044-577-0652)がオープンした。
オーナーの中村ゆきさん(43)は、川崎区育ち。未経験の飲食店運営に乗り出したのは、2015年2月に起きた川崎市中1男子生徒殺害事件がきっかけだという。中村さんは「当時は関西に住んでいたが、加害者が出身中学の卒業生であることや、4人の子どもを育てていることから、人ごととは思えなかった。河川敷や大師公園、自分が生まれ育った場所でそんなことが起きた、ということがショックで」と話す。
自分に何かできることはないかと考えるうち、「子ども食堂のようなことをしたい」という思いに至り、子どもの貧困に関するセミナーや、川崎市の起業支援講座「商人デビュー塾」などに参加。小学校時代の同級生らの助けも得て、鉄板を使った飲食店の開業を決めた。
店のコンセプトは「笑顔でつながる川崎」。店名は「笑顔の輪と人の和をつなぎたい」という思いから。中村さんは「子ども食堂も、近いうちにやりたい」と意気込む。その思いに共感した近隣住民から「手伝えることがあれば」と声が掛かることも多いという。
メニューは、輪オリジナル豚玉焼き(780円)、もんじゃ焼き(680円)など。「私が子どものころの駄菓子屋のように、おべった(魚肉ソーセージやコーンなどをトッピングして食べるもんじゃ焼きに似た食べ物)を提供して、子どもたちがワイワイできるようにできたら」と展望を話した。
営業時間は17時~23時。34席。