等々力陸上競技場(川崎市中原区等々力1)で3月31日に行われた明治安田生命J1リーグ第5節の場外で、川崎市幸区に拠点を構える中川部屋とフロンターレのコラボレーション企画「イッツァスモウワールド」が行われた。
子どもたちが力士に胸を借りる「力士に挑戦!!キッズ相撲対決」、現役の十両呼出・光昭による「相撲太鼓の打ち分け実演」などさまざまな「取り組み」が行われ、等々力が大きな笑い声と歓声に包まれた。
この日は相撲にちなんだスタジアムグルメも登場。通常は両国国技館でしか食べることができない「軍配みたらし」は販売開始から50分間で売り切れ。この3月に中学校を卒業し、母親とともに徳島県から観戦に駆け付けた舟本鈴羽さんは「普通のみたらし団子よりも大きくて食べ応えがある」と舌鼓を打った。小学校を卒業したばかりの妹・結月さんお気に入りの「やきとり」も1時間で完売。「あんみつ」も2時間で完売となった。
従来のフロンパーク人気メニュー・ちゃんこ鍋も「特製塩ちゃんこ」にリニューアル。長蛇の列に並んでありついたサンフレッチェサポーター3人組も「塩辛すぎず程よい味付け」と歓声を上げていた。
力士の餅つきコーナーやスタジアム内に登場した「満員御礼」の垂れ幕など、さまざまな場面で地域の業者や店舗、加えて西丸子小学校PTAが尽力。フロンターレ集客プロモーショングループの佐藤弘平さんは「クラブだけでなく、中川部屋や街の皆さんと共に作り上げたイベント。今後もオール川崎で地域を盛り上げていきたい」と力を込めた。
試合はサンフレッチェが1-0で勝利。これによりホームチーム勝利時に実施予定だったウイニング「張り」タッチの実現はならず。ただ、この企画のため待機していた中川部屋の力士たちは後半終了間際に生まれた「同点ゴール」シーンに沸き、ハイタッチを交わしていたと佐藤さんは振り返る。ゴールは後にオフサイドと判定され涙を飲むことにはなったが、チケット完売となったこの日は等々力が一体感に包まれた。
娘たちの卒業記念旅行にと徳島県からやってきた舟本三紀代さんは「試合後はフロンターレサポートショップの焼き鳥屋さんに行き、日曜・月曜は練習見学に行った。若手選手やけがで調整中の選手の様子を見て安心したり、試合の日にはない和やかな雰囲気に癒やされたり。等々力陸上競技場や練習グラウンドで選手に会える川崎は、テーマパークよりも夢の世界だと実感する旅行になった」と笑顔を見せた。
大相撲川崎場所は4月13日、とどろきアリーナで開催される。