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お笑いコンビ「アップダウン」が溝の口で二人芝居 戦争テーマに問い掛け

芝居の稽古に取り組むアップダウンの二人

芝居の稽古に取り組むアップダウンの二人

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 お笑いコンビ「アップダウン」による二人芝居が、8月23日・24日・31日の3日間、溝の口のエンターテインメントスペース「溝ノ口劇場」(高津区久本3)で開催される。タイトルは「桜の下で君と」。戦争下、命をかけて戦った特攻隊に焦点が当てられている。

阿部浩貴さんが担当したチラシのデザイン

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 二人芝居をすることになったきっかけは、2010(平成22)年に鹿児島の知覧特攻平和会館を訪れたときに目にした遺書だという。コンビの一人、竹森巧さんは「残された遺書の文章は胸に迫るものだったが、彼らはまだ二十歳前後なのに成熟した精神が感じられた。それが当時33歳の自分に挫折感を与え、お笑いをやるにしてもただ面白いだけでいいのだろうかと自問した」と話す。

 かつて、ある舞台で特攻隊の役を演じたこともあった竹森さんは、風化させてはいけない歴史や文化と向き合い、「お笑い」という自身の仕事の中で伝えていくことを決めた。「お笑いにはテーマが重すぎるのでは」と最初は反対した相方の阿部浩貴さんも、「懸命に生きた短い人生の中に笑いも苦しみもあったはず。死にゆく話ではなく、何を考えどう生きたかを描くのは芸人も同じではないか」という竹森さんの言葉に納得し、初のテーマに挑む。

 竹森さんの原案をもとに、ノンフィクションミュージカル作家のまきりかさんが脚本と劇中歌作曲を担当した音楽劇となっている。

 「歴史を伝える作品だが、楽しいエンターテインメントにもなっていて他にはない構成。子どもから大人までたくさんの人に見てもらいたい」と思いを込める竹森さんは、主題歌「愛しき人たちへ」の作詞作曲も手掛けた。この曲には川崎市在住のギタリスト、小南数麿さんが演奏に携わった。

 小南さんは「僕は原爆が投下された長崎県出身ということもあり、小さい頃から平和の尊さを強く感じていた。親交のあるアップダウンがこのテーマに挑むと聞き、本当に素晴らしいと思った」とエールを送る。

 8月23日=19時30分開演(完売)、8月24日=14時開演と18時開演、8月31日=12時30分開演の全4公演。チケットは、前売り=4,000円、当日=4,500円で別途1ドリンク代(500円)が必要。

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