コージェネ大賞とは
https://www.ace.or.jp/web/gp/gp_0010.html

撮影:エスエス企画
【設計者コメント】
災害対策活動の中枢拠点となる本庁舎に求められる高い防災性能、省エネルギー性能、省資源性能を、コージェネレーションシステム(以下、「コージェネ」)の採用により実現した。停電時には非常用発電機とコージェネの両方を稼働させることで、建物内の最大使用電力の100%(本庁舎のみの実績値より)を確保し、業務継続を可能とする。コージェネ稼働には冷却塔と冷却塔補給水が必要となるが、通常時は節水化を図るとともに、災害時の補給水途絶を想定して、空水冷切替型の冷却塔を採用した。 庁舎用途には給湯負荷が少ないため、冷房期のコージェネ排熱利用先を、排熱投入型吸収式冷温水機(ジェネリンク)に加えて、デシカント外調機の再生熱、外調機の再熱に拡大した。また既存南庁舎の蓄熱槽(冷専)と配管接続することで、熱融通を可能にするとともに、富士山噴火時の降灰に備え、コージェネ室内の給気ファンには、火山灰フィルターを差し込めるフィルターボックスを設置した。
コージェネ大賞は新規性・先導性・新規技術および省エネルギー性などにおいて優れたコージェネを表彰することにより、コージェネの社会的認知を図るとともに、より優れたコージェネの普及促進につなげることを目的に2012年度より開始した表彰制度で、今年で第14回目の開催となります。防災×環境は、本計画の設備設計のコンセプトでもあり、今回の受賞を喜ばしく思います。協力して頂いた発注者である川崎市および関係者の皆様との協働により実現できたものとして、深く感謝申し上げます。
【建築概要】
名称:川崎市役所本庁舎
所在地:神奈川県川崎市川崎区宮本町1
建築主:川崎市
設計者:株式会社久米設計
施工者:
【高層棟】
建築 :大成建設株式会社 横浜支店
電気設備 :電気JV(関電工・協和・京急電機 共同企業体)
空調設備 :空調JV(新菱・川本・明和 共同企業体)
衛生設備 :衛生JV(大成温・須賀・京急 共同企業体)
昇降機設備:東芝エレベータ株式会社
議場映像音響設備:株式会社丸井電設
【復元棟】
建築 :株式会社小川組
電気設備 :協成電気株式会社
空調設備 :明和工業株式会社
衛生設備 :東都熱工業株式会社
太陽光発電設備:住吉電機株式会社
延床面積:62,356平方メートル
階数:地上25階地下2階
構造:S/一部RC/SRC
竣工:2023年6月
受賞:コージェネ大賞/CFT構造賞/SDA賞/プレストレストコンクリート工学会賞/照明施設賞
【設計コンセプト】
「にぎわい×環境×防災」の都市型防災庁舎
計画地は市役所として昭和13年から市役所通りのアイコンとなり永く市民に親しまれてきた既存旧本庁舎の跡地であり、また、川崎駅から小売店舗や飲食店などの、まちのにぎわいが連続する市街地でもある。この旧本庁舎の歴史的な価値を継承しながら、旧本庁舎を再現した復元棟と高層棟の間に半外部空間の立体的で開放的な都市空間であるアトリウムを配置し、まちのにぎわいに寄与すると共に、多摩川の浸水災害を受けない中間階免震構造や地震時に天井材落下の恐れがない無天井執務空間など、あらゆる都市災害を想定した。また、コの字形状のプレキャストコンクリート板の外壁の内側を換気ボイドとして利用したエコマルチウォールの自然換気システムや窓周りの彫を深くすることによる、徹底的な日射抑制などによりZEBReady(BEI=0.47)を実現した。まちの「にぎわい」をつなぎ、市街地における「防災」と優れた「環境」性能を備えた、新しい都市型防災庁舎のあるべき姿を実現した。
【デザインストーリー】
防災と環境の融合した建築
https://www.kumesekkei.co.jp/designstory/kawasaki_city_hall.html

撮影:エスエス企画
【会社概要】
株式会社久米設計
「豊かさ」を拓く。私たちは「豊かさ」とは何かを真剣に考える多様な個性の集合体です。地域・人を大切に、未来を見据えた新たな価値を創造していきます。
1932年の創設以来、数多くの都市、建築の設計を手掛けてきました。技術とデザインの融合を追求し、人と社会への貢献を目指す企業です。本社を東京都江東区潮見に構え、社員数約650名(約450名の資格を有する専門家)を擁し、国内外の幅広いプロジェクトに取り組んでおります。持続可能な社会の実現へ、技術とデザインで貢献してまいります。
URL:https://www.kumesekkei.co.jp/
所在地:東京都江東区潮見2-1-22
取締役社長 井上宏
【久米設計Instagram】
https://www.instagram.com/kumesekkei/