川崎の映画館「チネチッタ」(川崎市川崎区小川町4)で2月24日、米国のミュージカル映画「LA・LA・LAND(ラ・ラ・ランド)」のLIVE ZOUND(ライブザウンド)上映が始まった。
昨年9月に同館が新導入した音響システム「LIVE ZOUND(ライブザウンド)」を使い上映する同作品は、売れない女優とジャズピアニストの恋を、カラフルでリズミカルな音楽と共に描く。2017年(第89回)米アカデミー主演女優賞、監督賞など6部門を受賞した。
「LIVE ZOUND(ライブザウンド)」は、映画館では通常使わない、コンサートホールやスタジアム用の音響機材を導入したもの。同館番組編成部の藤本恵弘さんは「映画館の概念と反対の事をやりたかった。目に見えない音を体感できるのがLIVE ZOUND(ライブザウンド)の特長。導入したスピーカーのメーカーであるd&b社も、自社製スピーカーを世界で始めて映画館に導入したチネチッタを視察に訪れた」と話す。
同館では、「LIVE ZOUND(ライブザウンド)」をより多くの人に楽しんでもらえるよう、日本語字幕付きの邦画の上映も数多く実施している。「音を微細な振動や圧力として体で感じることができるので、聴覚障害をお持ちのお客様にも映画本来のダイナミズムを楽しんで頂けると思います」と藤本さん。
障がい者がLIVE ZOUND(ライブザウンド)の同館で映画を鑑賞した割合は、「シン・ゴジラ」で10%、「君の名は」で26.3%、「この世界の片隅に」で8.7%と、通常の字幕付邦画では2~5%という。
クラブチッタ音響担当者で、LIVE ZOUND(ライブザウンド)の設計を手掛ける山室亨さんは「シン・ゴジラでは迫力を重視したが、ラ・ラ・ランドはミュージカル映画のため、見ている人が同じ空間にいると感じるような臨場感や躍動感を大切にして音響調整した。繊細な音も逃さないよう努力している。ぜひ体感してほしい」と呼び掛ける。