川崎市高津区で長年愛されてきた銭湯「高津湯」(川崎市高津区溝口3)が、シェアオフィス兼アトリエとして生まれ変わる。
手掛けるのは区内に本社を置き、気候・風土・文化・歴史を生かして「らしさデザイン」することで、長く住める街づくりのコンサルティングを進めるNENGO。
大山街道沿いに位置し、50年近く地域に親しまれてきた高津湯は、2015年に惜しまれつつ廃業。NENGOの街づくりの考えに共感したオーナーが、地域のために有効に活用できないかと考え相談を持ち掛けた。もともと岡本太郎、陶芸家の浜田庄司などを生み出したこの地域の特性を鑑みて、女湯はシェアオフィス兼アトリエとして、男湯はギャラリーと図書館として再始動する。
5月19日にはアトリエの内見を兼ねて、来場者が持参した美術関連の書籍と花を交換する「物々交換マルシェ」が行われ、入居を検討するアーティストや近隣の親子でにぎわった。
同社の中村美穂さんは「近隣の人たちが銭湯に来る感覚で、アートに触れられる機会をつくれればと思い、地域の方々の家に眠っていた美術書で図書館を作ろうということになった」と話す。「自分の大切にしていた本がここにあることで、ここに愛着が生まれるのでは。訪れる人にとってもクリエーティブ思考が体内に蓄積できるような場にしたい」と意気込む。
1年間の限定。現在入居アーティストを募集中、見学の受付はフェースブックページかNENGO(044-829-3324)まで。