
株式会社ヤナリ(本社:神奈川県相模原市)が運営するコンセプト薬局である「まいにち薬局秋津店」は、耳の聞こえない薬剤師・武中元季氏が、薬の説明(服薬指導)を1年間で1万回達成しました(集計期間:2025年3月~2026年2月、社内集計)。
月平均約900回、1日平均約45回。
この数字は、特別なキャンペーンの成果ではありません。
地域の薬局という「日常の場」で積み重ねられたものです。

薬の説明をする聞こえない薬剤師:武中氏(撮影 ろう写真家:齋藤陽道)
日本では障がい者雇用の法定雇用率が定められ、企業における雇用は進んできました。
一方で、専門職として前線に立ち、日常的に活躍する事例はまだ多くありません。
聞こえない人が接客をする。
聞こえない人が医療の説明をする。
その姿が「すごい」と言われる社会は、裏を返せば、まだそれが“当たり前”ではないということでもあります。
秋津店は、この構造に向き合っています。
秋津店が掲げるコンセプトは「サイニング(手話)薬局」。
聞こえないことを前提に、環境そのものを設計する。
個人に適応を求めるのではなく、
場を変える。
・筆談
・指差しボード
・音声文字変換装置「コトバル」(コニカミノルタ株式会社)
・対話支援機器「comuoon」(ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社)
・手話ブース
・スタッフの手話習得
「伝わる工夫」を特別な対応にしない。
それがこの薬局の想いであり、ビジョンです。
その結果が、年間1万回という日常的な実績を生みました。
武中元季プロフィール■ 氏名:武中 元季(たけなか もとき)
■ 所属:まいにち薬局 秋津店
■ 職種:薬剤師
■ 経歴:製薬企業4年勤務を経たのち、大手保険調剤薬局にて17年勤務。より多くの方に「聞こえない方が活躍することが特別でない世界を届けたい」と志し、2025年3月より現職。
■ 資格等:研修認定薬剤師/スポーツファーマシスト
■ 生まれつき両耳とも110dBの聴力障害がある『耳の聞こえない薬剤師』
【年間1万回達成について】
聞こえない薬剤師でもスムーズに接客できるよう、現場ではさまざまなアイテムや機器を、仲間と一緒に考えながら整えてきました。そのおかげで、お薬の説明だけでなく、聴力障害のある方とのコミュニケーションの工夫を知っていただく機会にもなったと感じています。想定以上の数で驚いていますが、5年後、10年後、20年後と、少しずつでも聞こえない人たちが過ごしやすい社会づくりのきっかけになれたら嬉しいです。
また、「耳が聞こえない人でも当たり前に接客業で活躍できる社会」の実現のモデルになれるよう挑戦しています。日々の現場では、すべての患者さんに安全と安心を届け、最後はお互いが笑顔になれるような見送りを大切にしています。
配慮から設計へ“伝わる仕組み”をつくった現場
「武中さんが秋津店に来てから、私たちはまず、武中さんが「耳の聞こえない薬剤師」であることを患者さんに無理なくお伝えできるよう工夫してきました。
初めての方にも安心していただけるよう、窓口での伝え方を整え、必要に応じて筆談や視覚的な案内も取り入れています。
印象的だったのは、武中さん自身が受け身になるのではなく、マイクやiPadなどのツール導入を自ら提案し、よりよいコミュニケーション環境を主体的に整えていたことです。」

本多氏(右)と武中氏(左)。日常業務から手話を学び、聞こえない方への接客に活かしている。
「現場の「伝わりやすさ」を一緒に考え、少しずつ形にしていく姿勢は、チームにも良い影響を与えてくれました。
合理的配慮はしっかり行いながらも、聞こえないことを理由に可能性を狭めないことを意識し、互いに学び合い成長できる関係を大切にしてきました。
また、武中さんは社交的で、患者さんとの関係づくりが得意だと感じています。適切な環境とチームの支えがあれば、その強みは大きな価値になると実感しました。
今回の「薬の説明(服薬指導)年1万回」は、武中さん本人の積み重ねに加え、現場全体で伝わる仕組みを育ててきた結果でもあると思います。」(秋津店リーダー:本多氏)
毎日、患者さん一人ひとりに丁寧に向き合ってきた武中さんが、薬の説明(服薬指導)を1年間で1万回行ったと聞き、本当にすごいと思いました。
言葉だけに頼らず、表情や、必要に応じて筆談も交えながら、患者さんに安心を届けている姿は、同じ職場で働く私たちにとって大きな励みになっています。
受付の場面では、必要な内容をまとめた「指差しボード」を活用しながらサポートに入ってくださることもあり、とても助かっています。
日々の会話の中で手話を教えていただく時間も、私たちにとって大切な学びのひとつです。これからも同じチームの一員として、一緒にまいにち薬局を支えていけたら嬉しいです。
(秋津店調剤事務:笹川氏)

「指さしボード」
年間1万回は個人の努力だけでなく、“現場全体で設計した結果”です。

秋津店インスタグラムより。サイニング薬局ならではのリール動画やストーリーが投稿されている。
サイニング薬局の取り組みは、店舗の中だけにとどまりません。
秋津店ではInstagramでの発信も開始しました。
実際に当事者が活躍する姿や、店内の工夫を可視化しています。
見えなければ、存在しないのと同じ。
だからこそ、発信する。
「こういう場所があるなら行ってみたい」
「自分も挑戦してみたい」
その小さな心の動きが、社会を変える起点になります。
発信もまた、社会実装の一部です。
Instagramアカウントはこちら
秋津店では、骨伝導イヤホン「VIBONE nezu 3」の試聴会も開催しています。
実際に装着し、装着感や音の伝わり方を体験できる試聴会を行います。
「骨伝導ってどんな感じ?」という方も歓迎です。
※本イベントは疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。感じ方には個人差があります。

ソリッドソニック株式会社の提供する骨伝導イヤホン「VIBONE nezu 3」
試聴会 概要
■日時:2026年3月27日(金) 16:00~21:00 (※事前予約制)
■ 会場:まいにち薬局 秋津店(東京都清瀬市野塩5丁目299-4)
■ 参加方法:事前予約QRコードよりお申込みください
■ お問い合わせ:mainichi_akitsu@mainichi-y.co.jp
主催:まいにち薬局秋津店/共催:ソリッドソニック株式会社

試聴会事前予約QRコード
店舗情報
・店舗名:まいにち薬局 秋津店
・住所:〒204-0004 東京都清瀬市野塩5-299-4
・電話番号:
042-497-2271
・営業時間:月・水・金・土・日・祝日 10:00~19:00
火・木曜日 10:00~21:00
定休日:なし
・Webサイト:
http://mainichi-y.co.jp/store/akitsu/
・本件に関するお問い合わせ先:
http://mainichi-y.co.jp/contact/
年間1万回という実績は、ゴールではありません。
ヤナリは秋津店をロールモデルとし、「聞こえない人が活躍することが特別ではない社会」の実装を進めます。
構造を整えれば、活躍は当たり前になる。
その証明を、現場から積み重ねていきます。
見学・取材・連携の問い合わせを受け付けています。
コンセプト薬局とは、1つの薬局が、1つのコンセプトを掲げ、1つの社会課題に向き合っている薬局です。
ホームページ
http://mainichi-y.co.jp/store/akitsu/
株式会社ヤナリ
所在地:神奈川県相模原市南区古淵2-16-15 マスカットビル1階
事業内容:まいにち薬局運営、ヤクテラス運営
代表取締役:李英健
電話番号:
043-305-4031
資本金:900万円
会社HP:
http://mainichi-y.co.jp/