複合商業施設「ラゾーナ川崎」5階にある劇場「プラザソル」で現在、同劇場10周年記念公演「ハムレット」が上演されている。
劇場の前で話す演出家の西沢さんと俳優の梶原さん、ヴァンソンさん
10年前の同劇場こけら落とし公演に出演した梶原航さん(33)を主演に、昨年同劇場で上演したシェイクスピア劇「マクベス」を演出した西沢栄治さん(45)を演出家に招き、若い俳優たちを中心に疾走感のある舞台に仕上げた。
北海道旭川市出身の梶原さんは「10年前に初めてこの劇場に来たときは川崎のことは正直何も知らなかったが、この劇場に育ててもらったようなもので、恩義を感じている」と話す。今回は、記念公演ということで梶原さん自身も企画を練り、同劇場と協働して新国立劇場演劇研修所の仲間などに声を掛け、座組を作ったという。
ハムレットの役柄について、梶原さんは「意外と行動的」と分析する。「10年間で自分の芝居に対する考え方も変わり、他人や周囲が見えるようになってきた。今、同世代のハムレットを演じることができるのはうれしい。純粋に役柄と向き合い、創作するタイプの役者を集めた。それぞれの演技もじっくり見てほしい」と意気込む。
シェイクスピア作品の演出経験も豊富という西沢さんは「とにかくシェイクスピアは難しくないということを知ってもらいたい。現代とは明らかに異なる日常を、多大なエネルギーを費やして生きている人間を見てほしい」と話す。「ラゾーナのような施設に劇場が入っているというのは素晴らしい。生活に地続きの場所で、演劇を娯楽の一つとして楽しめるのでは」とも。
フォーティンブラス役で出演するフランス出身の俳優、ジリ・ヴァンソンさんは「日本に来て最初に住んだのが川崎の多摩区だった。今でも心が落ち着く場所。川崎は東京の都心からそんなに遠くない。劇場は駅から直結で便利だし、気後れせずに平日夜の公演にも足を運んでほしい」と来場を呼び掛ける。
開演時間は、1月28日・31日=13時と19時、同29日・2月1日=14時、1月30日=19時。チケットは一般=4,000円、川崎市民=3,800円、25歳以下=2,500円。2月1日まで。