Bリーグの川崎ブレイブサンダース(川崎)が5月27日、リーグ初代王者を決めるチャンピオンシップ決勝戦を迎えた。
昨秋開幕した「Bリーグ」の初代王者を決める一戦となったこの日。60試合のレギュラーシーズンをリーグトップの勝率でチャンピオンシップに進み、サンロッカーズ渋谷、アルバルク東京を倒して決勝に駒を進めた川崎。国立代々木競技場第一体育館(東京都渋谷区)で行われた決勝戦の相手は、元NBA選手として知られる田臥勇太選手率いるリンク栃木ブレックス(栃木)。会場には1万144人が来場した。
ティップオフ後、キャプテン・篠山竜青選手のドライブ(ドリブルでディフェンスを抜くプレー)からのレイアップシュートで先制し、エース・辻直人選手の3ポイント(P)も決まり、順調な滑り出しを見せた川崎。インサイドの要、ニック・ファジーカス選手は栃木のハードなディフェンスに得点を挙げられない時間帯が続くも、ブロックショット(シュートブロック)などでチームに貢献。第2クオーター(Q)は、途中出場の藤井祐眞選手が体を張ったプレーを見せ、ファジーカス選手のシュートも決まり始めるも、37対43と栃木にリードを許す展開となる。
後半開始直後、篠山選手が3Pを決めたほか、ジュフ磨々道(ままどぅ)選手のリバウンドからのセカンドショット、ファジーカス選手のフローターシュートなどで逆転すると、ファジーカス選手はファウルで得たフリースローを確実に決め、点差を広げることに成功。4点リードで迎えた最終Q、序盤で試合を振り出しに戻されるも、藤井選手のリバウンドに飛び込むハッスルプレーや、ファジーカス選手がディフェンス2人に囲まれた中でバスケットカウントとなるフックシュート決めるなど勝利への執念を見せる。残り2分まで1点差の攻防を見せていたが、オフェンスリバウンドを取ることができず、果敢にアタックしたシュートも決めきれず、79対85で敗れた。
北卓也ヘッドコーチは「負けてしまったのは私の責任。選手たちは最後まで一生懸命頑張ってくれたし、Bリーグや川崎ブレイブサンダースを盛り上げるために1年間よくやってくれたので、お疲れさま、ありがとうと言いたい」と選手をねぎらった。
試合後涙を流していた篠山選手は「勝敗を分けたのはリバウンドの球際のプレーやうちのターンオーバーなど、一つ一つのプレーの精度が足りなかった。気持ちの面でも栃木の方が上だったのかな」と悔しさをにじませつつ、「自分がバスケをやってきてこんなに盛り上がる日が来るって思ってなかったので、本当にファイナルが楽しかった」と、この日の舞台をかみしめた様子だった。
栃木のファンが多く見られ「アウェーのような試合だった」と振り返った辻選手は「試合の入りは良かったが、最後の最後まで自分のパフォーマンスができなかった」と話し、「(来シーズン)また同じ舞台に立ってリベンジしたい」と早くも闘志を燃やす。
藤井選手は「一人一人があと1回でもいいディフェンスを見せていたら(結果は)違っていたのでは」と反省点を挙げた。Bリーグ初年度は「注目度も高まり、プロの意識・自覚が大きくなった」と言い、「バスケ界がもっと盛り上がるには、自分たちが世界と戦えるよう、魅せられるよう頑張らなくてはいけない」と気を引き締めた。