食べる 見る・遊ぶ 暮らす・働く

川崎大師・久寿餅「住吉」がリニューアル 「まっつぐなもの」守り創業100年

改装後の喫茶スペース。今後は石臼を導入し、きな粉をひいている様子も見えるようにするという

改装後の喫茶スペース。今後は石臼を導入し、きな粉をひいている様子も見えるようにするという

  • 128

  •  

 川崎大師仲見世・山門前にある久寿餅「住吉」(川崎区大師町4)1階の喫茶スペースが7月12日、リニューアルオープンした。

住吉の久寿餅(450円)

[広告]

 窓側を全面ガラス扉にし、外から店内の混雑状況が一目で分かるようになった。「参詣前後や、(川崎大師平間寺の)護摩焚(た)きの前の空き時間に気軽に立ち寄っていただけるよう、入りやすく開放的な雰囲気にした」と5代目社長・森明弘さん。車いすの利用者が多いことから、トイレも含めて完全にバリアフリー化した。席数は40席。

 久寿餅は、くず粉から作られたくず餅とは異なり、小麦粉から取り分けたでんぷんを発酵させて作った川崎大師名物の食べ物。主に関東地域で食べられており、域外の認知度は高くない。森さんは「かつては川崎大師に参詣した家族からのお土産として食べる機会があったが、今は核家族化もあって『食べたことがない』という人も少なくない。喫茶スペース改装で入店ハードルを下げ、久寿餅を知らない人に食べてもらうきっかけを作れたら」と思いを話す。

 「住吉」は12月に創業100年を迎える。創業時は土産物店だったが、戦後の資源不足に伴い久寿餅店に転換。安価で腹持ちが良く、経済成長期には人々の暮らしに参詣をする余裕が出てきたこともあり、売れ行きは好調だったという。

 「100年続いたのは、3代目・重一氏の『まっつぐなもの(うそ・いつわりのなく、安全なもの)を作れ』という言葉を守ったから」と森さん。「添加物は一切入れていないので、日持ちは悪い。毎日作って、毎日売る。きな粉も蜜も、いいものを作ろうという気持ちでいたから続けられた」とも。

 営業時間は8時30分~17時。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース