JR川崎駅東口近くに1月11日、宿泊施設「日進月歩」(川崎区日進町9、TEL 044-223-7478)がオープンした。
和室シングルをアーティストが洋風、和風などのテーマで仕上げた
高度成長期に労働者向けの簡易宿泊所が多く立ち並びとしてにぎわいを見せた同町。近年は経営者の高齢化や、利用者減により廃業や施設の取り壊しが目立っている。
「日進月歩」は、1963年(昭和38)年に建てられたという築54年の宿泊所「相楽ホーム」を、「NENGO」(高津区下作延)社長の的場敏行さんが買い取りリフォームした。
同施設管理人の吉崎弘記さんは「羽田空港や川崎駅から近いことや、ローカルな観光資源の一つとして、訪日旅行者、就活の学生、企業研修などのニーズに応えたい。近隣の宿泊所と違い高めの価格設定だが、無理なく継続的に経営できる新しい簡宿所のモデルを追求していきたい」と話す。
宿泊ルームはアーティストが洋風、和風などのテーマで仕上げた。和室シングルは14室、1階に共有リビング、共同のシャワー、トイレ、アメニティーと布団を用意する。もとあった3階部分は取り壊し、吹き抜けにして光を多く取り込む落ち着いた雰囲気に仕上げた。宿泊料金は1泊(素泊まり)=3,500円。
吉崎さんは「アートの手法で再び価値を生みだしたい。街の新しいパーツとして、高度成長期のような活気を町にもう一度取り戻せたら」と話す。