オーナー企業が東芝からDeNAに変わった男子バスケットボールBリーグ「川崎ブレイブサンダース」について、新たに運営を担当する元沢伸夫社長が、「68年の歴史と偉大な先駆者の足跡を受け継ぐ」との基本方針を発表した。
最先端のバスケットボールアリーナの実現に言及する元沢伸夫社長
7月4日に川崎市内で行われた「事業戦略発表会」には、チャイニーズ・タイペイの取材で帰国したばかりの報道陣を含め多くのメディアが参加。チームから新たな事業展開のプレゼンテーションが行われた。
元沢社長は、チームを育ててきた東芝や応援を続けてくれたファンに対して敬意を持ち多くを継続してより発展させていくとの基本方針を説明。具体的には、北卓也ヘッドコーチの続投、アシスタントコーチ、アナリスト、フィジカルパーフォーマンスマネージャーなどチームスタッフの全てが継続となった。
「敬意を持って継続する」の言葉を一番に感じさせるのはクラブ名。元沢社長はチーム名を「川崎ブレイブサンダース」と発表。「東芝」の文字をなくしただけで多くのファンにとっては「従来通り」の印象となる。「ブレイブ」は、東芝が持つスポーツクラブに冠しているワード。「東芝さんの了解を頂いて使用する」とした。この発言に「歴史と先駆者への敬意」がにじみ出ていた。
前季、川崎市とどろきアリーナでのホームゲームに足しげく通っていた元沢社長。赤一色に染まるアリーナの様子や、響き渡る川崎コールを身をもって共有。当然のようにチームカラーも「ブレイブレッド」となった。
こうした方針に篠山竜青選手はコメントで「東芝時代から伝統があり、僕にとっては子どもの頃からの憧れだった『サンダース』の名前が残ったのはうれしいです。Bリーグになってから、とどろきアリーナがどんどん赤く染まっていき、僕たち選手に大きな力をくれました。新しいアリーナのイメージは今まで以上に赤く『ブレイブレッド』で埋め尽くされそうな感じで、ワクワクします」と気持ちを語っている。
運営会社名は「DeNA川崎ブレイブサンダース」。新たなロゴマークは、ゴールリングに突き刺さる稲妻をモチーフにして、1950年から続く歴史を背負う誇り、プレーの力強さ、スピード感、勝利へのこだわりを表現。カラーは「ブレイブレッド」と「ビクトリーゴールド」の配色となる。
元沢社長は、川崎ブレイブサンダースのミッションとして「MAKE THE FUTURE OF BASKETBALL」を設定。「川崎からバスケの未来を」をミッションショルダーワードとして、強く、楽しく、誇らしいバスケットボールの未来を川崎から始めるとした。その上で、アジアクラブチャンピオンシップ優勝、最先端のバスケットボールアリーナの実現、年間来場者数を30万人とする目標を設定した。
その第一歩として「EXCITING BASKET PARK」計画を立案。アリーナ内に「センターハングビジョン」を新たに導入し観戦中の情報提供環境や演出を改善。場外広場を「サンダーススクエアー」とし、大型ビジョンによるライブビューイング、イベントステージを設置。飲食環境の充実も図るほかバスケットコートを作り催しを行うことを明らかにした。併せて一部の日程で土曜・日曜開催も視野に入れて動いていることも明らかにした。
北ヘッドコーチは、「クラブにとって新たな時代が始まりました。ヘッドコーチとして68年の歴史を引き継ぎ、発展させながらさらに魅力あるチームを作っていく所存です。チームで目標としているのは常にリーグと天皇杯の2冠です。そこに向かい、今シーズンも戦っていきますので、引き続きご声援のほど、よろしくお願いいたします」と挨拶した。
川崎ブレイブサンダースの新たな歴史が2018-19シーズンから始まる。