川崎市の特徴である人種、世代などの多様性や南北に長い地域に生まれる特色や対立をシェークスピア作「ロミオとジュリエット」を脚色するユニークな演劇が12月6日~11日、JR川崎駅ラゾーナ川崎プラザソル(川崎市幸区川町)で上演される。
ラゾーナプラザソルは2006年10月にラゾーナ川崎のウエスト館5階にオープン。本公演はその12周年記念公演として開催される。10月17日に上演場所であるラゾーナ川崎プラザソルでプラザソル関係者、翻訳・脚色・演出担当、オーディションにより選ばれたキャストを招いて製作発表会が行われた。
「カワサキ ロミオ&ジュリエット」の翻訳・脚色・演出を担当する演出家で劇団カワサキアリス代表のAsh(アッシュ)さんは「私自身も中原区在住で、川崎市に愛着を感じている。川崎市は人口150万人に達し、活気のある地方都市。日常に新しいドラマが生まれ、職能や技術に優れた人も多い。このカワサキを舞台とした演劇に多くの人に触れ、関わってもらい川崎市の持つ可能性を示し、一層広げたい」と話す。
「シェークスピアの戯曲の中でも名前やせりふは皆知っているが中身を知らない人も多いロミオ&ジュリエットは、演劇を見たことがない人にもよい機会になるはず。悲劇というイメージがあるが今回の演出は笑える仕掛けも盛り込んでいるので楽しんでもらえれば」とも。
キャストはオーディションで決定。縹(はなだ)組と紅組の一部ダブルキャストで全10ステージの上演となるが、オーディションで知的障がいのある松下奈津希さんが採用され、全10ステージに出演する。Ashさんは「オーディションで輝いている彼女に驚き、逆にその障がいを力にして頑張っている姿に引かれ、この作品の世界にいてほしいと考えた」と話す。松下さんは「障がいを乗り越えて同じ立場の人たちに勇気と元気を与えたい」と話す。
チケットは全席自由・前売りで、一般=4,000円、市内在住者・在勤者向けの「川崎割」=3,800円(証明するものが必要)。