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武蔵小杉で漫画家ビッグ対談 「さいとう・たかをさんとは戦友」とちばてつやさん

対談の様子

対談の様子

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 武蔵小杉にある川崎市市民ミュージアム(川崎市中原区等々力1、TEL: 044-754-4500)で1月13日、「新春超ビッグ対談 さいとう・たかを×ちばてつや 奇跡の軌跡」が開かれた。

談笑する二人

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 11月から行われてきたビッグコミック50周年記念展の関連企画として開催された同イベント。この展示に先駆け同館では、昨年9月から11月にかけて「連載50周年特別展『さいとう・たかを ゴルゴ13 用件を聞こうか…』」が行われ、多くの反響を得た。

 当日は抽選で当選した約230人が漫画界をけん引してきた2人のビッグネームによる作品の裏話や、人生を振り返るトークに耳を傾けた。

 対談ではビッグコミック現編集長の由田和人さんが司会を務め、さいとうさん、ちばさんの年譜を参照しながら、話を聞いた。戦前生まれの2人に対しての最初の質問は「戦争体験が作品に与えた影響はあるか」というもの。さいとうさんは「敗戦の時に大人たちに疑問を感じた。作品には戦争の影を出さないようにした」と話し、満州からの引き上げの体験があるちばさんは「あの時代はみんなが元気になるものを求めていたから、漫画ではそのことを見せないようにしていたが、今は伝えなければという思いが強い」と話した。

 さいとうさんは1955(昭和30)年、19歳の時に「空気男爵」、ちばさんは1956(昭和31)年に17歳で「復讐(ふくしゅう)のせむし男」によってデビューした。今は無い「貸本屋」という業態で広まった漫画の世界に入った動機を聞かれると、さいとうさんが手塚治虫さんの作品「新宝島」を読み、「紙で映画のようなものが作れる、これは仕事になると思った」と話したのに対し、ちばさんは「好きな漫画を描いたら、お金がもらえて衝撃だった。親が厳しかったので漫画は読めず、手塚さんのことはデビューするまで知らなかった」と話すなど、好対照をなすトークに会場には幾度も笑いが起きた。

 1968(昭和43)年にビッグコミックが創刊し、さいとうさんは自分の信条としていた「ストーリー性」を重視した大人向けの漫画をより極めていく土壌を得て。「ゴルゴ13」の連載を開始。子供向けの漫画に定評のあったちばさんも、少年マガジンに「あしたのジョー」の連載を始めて年齢層の高い読者から支持を得た。1977(昭和52)年にはビッグコミックでちばさんの「のたり松太郎」が始まり、「ゴルゴ13」と共に同誌を背負う二本柱となった。

 対談の最後には、11日に80歳を迎えたちばさんの傘寿(さんじゅ)を祝うスライドが表示され、さいとうさんからちばさんに花束が手渡された。ちばさんは「昔はライバルという意識があった。でも、今は戦友。一緒に時代を生き抜くことができてとてもうれしい」と笑顔を見せた。

 同展は14 日で終わり、同館では現在「発掘された日本列島2018」(今月27日まで)が展示されている。1月26日からは開館30周年記念「都市と人間」コレクション展、3月2日からは「かわさき市美術展」と、「竹宮恵子カレイドスコープ 50th Anniversary」が始まる。同館の開館時間は9時30分~17時(入場は閉館の30分前まで)。月曜休館。

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