麻生市民交流館やまゆり(川崎市麻生区上麻生1)で8月3日、朗読劇「空の村号」が行われる。主催は平和を願う会。
同会を主宰する萩坂心一さんは元高校教師。現在も非常勤で教鞭をとる傍ら、市民劇に参加したり、叔父の萩坂昇さんが著した「かわさきのむかし話」を朗読したりと、精力的に活動している。
萩坂さんは、市民活動を通じ、広島で被爆体験のある麻生区在住の森政忠雄さんと出会い、2年前から「原爆」をテーマに取り上げ、8月に講演や朗読劇の発表を行ってきた。
3度目の開催となる今年は、「原子力発電」を題材に扱った劇作家・篠原久美子さんによる短編戯曲「空の村号」の朗読劇を行う。「2年前に同会が行った講演を聴いていた若者が放った『原爆のことは分かったが、原発についてはどう考えているのか』という問いかけを考え続けた結果」と萩坂さん。「平和の対極にあるものは無関心や忘却。若い世代に『平和へのバトン』を渡していきたい」とも。
全村避難の対象区域となった福島の村に住む主人公の妹役と、その村に取材にやってくる映画監督の役を兼ねて演じる宮本緑さんは「今年川崎に引っ越してきて、最初にいただいたのがこの舞台の話だった。私自身がこの舞台を通して今いる場所でどう生きていくかを問われているように感じる。難しいテーマだが、全力で取り組みたい」と話す。
上演は10時30分、14時45分の一日2回。各回上演後は30分間の意見交換会を行う予定。森政さん講演会の開催時間は13時30分~14時20分。朗読劇と講演の通しチケットは、大人=1,000円、学生=500円。