7月の風物詩となっている風鈴市の中止が発表されている川崎大師平間寺(川崎市川崎区大師町4)の周辺商店街などで構成される団体「かわさき楽大師プロジェクト実行委員会」が、現在、新たな生活様式に合わせた七夕まつりを開催している。
「願い事が叶(かな)う大師(まち)」とテーマを掲げ、地域活性化のためさまざまな取り組みを行う同団体は、商店街への集客を目的に例年、七夕まつりを開催してきた。近隣の小学校や保育園の子どもたちが願い事を書いた短冊を商店街に飾り付け、スタンプラリーや縁日を行ってきたが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響により、イベントの再検討を余儀なくされた。
「こんな時だからこそ、子どもたちが夢や希望を持てるように」と、新たな取り組みとして、ウェブサイトから願い事を申し込める「オンライン短冊」を企画。同団体が展開する「川崎大師タウンネット」の専用フォームから、無料で誰でも願い事を書き込むことができる。
寄せられた願い事は、川崎大師平間寺と深いつながりのある「塩原温泉川崎大師厄除(やくよけ)不動尊」(栃木県那須塩原市)の年祭で山伏によるおたき上げを行う。団体メンバーの石川智也さんは「オンラインで受け付けた願い事は責任を持って印刷し奉納する。この不動尊は山の頂上にあり、お大師さまとのゆかりがある場所の中でも天に限りなく近い。ひこ星・織り姫のいる星々にみんなの願い事を届けたい」と意気込む。
6月27日から受け付けを始め、100件以上の願い事が集まっている。団体メンバーの松原章浩さんは「時代にマッチした取り組みであると感じている。これまでは近隣向けのイベントだったが、オンライン化により、大師以外の子どもたちも参加できる。コロナ禍での『おうち時間』を過ごす多くの家族に活用してほしい」と参加を呼び掛ける。
今回の企画に合わせて、ビデオメッセージも制作した。オンラインミーティングツールを駆使し、商店主がそれぞれのメッセージをリレー形式で収録した。動画を通して、開催にかける思いや申し込み方法などを発信している。オンライン短冊の申し込み受け付けは7月14日まで。