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登戸の「カルペディエム」閉店 「福祉×料理」で再出発目指す

カルペディエムの料理長、菊池さん

カルペディエムの料理長、菊池さん

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 登戸のフレンチレストラン「カルペディエム」(川崎市多摩区登戸)が6月9日に閉店した。最終日には同店で「さよならパーティー」が催され、大勢の常連客が集まり閉店を惜しんだ。

さよならパーティーには近隣のシェフらも駆け付けた

 料理長の菊池猛さんは、東京都東村山市の出身。2011(平成23)年に登戸駅前のフレンチレストラン「ビストロカプリシュー」のシェフとして川崎に足を踏み入れた。当時まだあまり周辺になかった手の込んだランチメニューや、時折アーティストのライブも行われるディナーが人気を博した。

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 翌年からは、宮前区にある小泉農園と協働して「農園フェス」を始め、地産地消を進めつつ、生産者と消費者の仲立ちとなって活動するようになった。農園フェスはその後、同区のはぐるま稗原農園や、地域で活動する団体を巻き込み、大きなイベントとして成長した。

 2017(平成29)年には、多摩区役所のはす向かいに「カルペディエム」が開店し、シェフとして就任した。地域で行ってきた料理教室などの活動も、多くの人に理解され、広がりが出てきた。精力的に仕事をこなす中で、自分の体調と向き合うきっかけとなる出来事があり、いったんシェフの仕事を退くことになった。

 菊池さんは「店の閉店と自分の体調は全く関係がない」とした上で、「農園とのつながりや、料理教室、グループホームなどでの経験を通じて、料理が地域の福祉に果たすことができる力を再認識した。シェフとして調理場に立つ以外にも、社会のために役立つクリエーティブな取り組みができる。しばらく休養したら、やりたかったことを少しずつ実現していきたい」と話す。

 農園フェスを通じて菊池さんと知り合い、さよならパーティーに参加した女性は「以前ふらっと食べに来た時にも、地域への思いを熱く語っていたのが印象に残っている。お店がなくなるのはとても残念だが、シェフの新しい挑戦を心から応援したい」と話した。

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