川崎ブレイブサンダースは、Bリーグの社会貢献活動「B.LEAGUE Hope」の一環として、長期療養の子どもがスポーツチームの入団を通じて、社会生活に戻る過程を支援す「TEAMMATES(チームメイツ)」活動として、高見俊翔(しゅんと)君の入団を決定し9月21日に小向体育館にて入団式が行われた。推進するのはBeing ALIVE Japan(東京・世田谷区)。
おおよそ10カ月前の2018年12月17日。都内で、社会とつながり社会の助けとなる活動を行っているアスリートや団体を見つけ讃(たた)え支えていく日本財団のプロジェクト「HEROs AWARD2018」の発表会が行われていた。
2回目を迎える今年は、赤星憲広(野球)、有村裕子(マラソン)、長谷部誠(サッカー)、飯沼誠司(ライフセービング)、浦和レッズ(サッカー)と、スポーツを通じて長期療養を必要とする子どもたちを支援する「TEAMMATES(チームメイツ)」を展開するBeing ALIVE Japan代表の北野華子さんらが活動報告とこれからの目指す方向をプレゼンテーション。学童時代に長期療養の経験をした北野さんは、「スポーツの持つ力が子どもたちを勇気づけることができる」と、自らが体験した事実を織り交ぜて報告。会場内の共感を集めて「HEROs of year」に輝いた。
Being ALIVE Japanは、今年に入り8月8日に日本財団パラアリーナを会場にして、多競技のアスリートが協働し、スポーツを通じて長期療養中の子どもたち同士や家族同士の新たなつながり、コミュニティ創出を目的とした「夢の長期療養児の入団を実現するTEAMMATESドラフト祭」を開催した。
イベントには、Bリーグも協力。横浜ビー・コルセアーズから田渡凌選手や、前季にチアメンバーとして「B-ROSE」に参加していた佐々木美琴さんら「TEAMMATES」のメンバーや家族が参加。川崎ブレイブサンダースから、辻直人選手も会場に駆けつけた。
辻選手は、「スポーツには大きな可能性がある。以前からそう思っており、スポーツ選手にはそれなりの役割があると思う。長期療養の子どもたちの人生を支えていく使命もあるように思える」と話す。9月から川崎ブレイブサンダースに「TEAMMATES」の新メンバーが入団することを受けて「川崎ブレイブサンダースファミリーの一員として迎えていきたい。バスケだけでなく幅広く応援や支援をしたい」と気持ちを言葉にしていた。
今回川崎ブレイブサンダースに入団する高見俊翔君は、 2人兄弟の長男で10 歳(小学5 年生)。現在でも身体を動かすことが好き。2017-2018シーズンにアルバルク東京に入団した人形櫂世(ひとかた・かいせい)君と同じ病気であり、櫂世くんの活動映像を見て励まされ、同じようにメンバーになりたいと希望し今回応募した。
入団式は、12時30分より川崎ブレイブサンダースの選手、チームスタッフ、北卓也ゼネラルマネージャー、佐藤賢次ヘッドコーチが見守る中で行われた。高見くんは「高見俊翔です。選手とコーチに会えることを楽しみにしていました。ユニフォームの番号はしゅんとの『と』から10番に決めました。選手のことをたくさん応援したり手伝ったりしたいです」とあいさつした。そんな姿を、辻選手はあふれるほどの笑顔で見つめ、祝福し、記念写真のフォトコールに応えていた。