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川崎のマンション敷地を利用してテークアウトイベント 住民の支持を受けてにぎわう

企画を支援したプロジェクトメンバーの荻原直也さん(右)

企画を支援したプロジェクトメンバーの荻原直也さん(右)

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 港町駅前タワーマンション「リヴァリエA棟」敷地内で、窯焼きピザや焼きそばなど地元飲食店のテークアウト販売イベントが、1月10日より29日間にわたり行われ、多くの居住者や近隣の住民が参加しにぎわいを見せた。

川崎駅周辺の飲食店のテークアウトメニューを提供した

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 厳しい環境の中で疲弊する地元飲食事業者に販売機会を提供し、マンション住民には住居エリア内での参加しやすい催しを目的に昨年4月に開催。住民からの評判も良く継続的な開催を望む声も多かった。

 タワーマンションの建物周辺の広場には公開空地とされるスペースがある。本来の目的は防災や景観、地域の賑わい、コミュニティを創出する場、利便性の場など様々な役割を担う空間で、その活用にはいくつかの制限がある。リヴァリエA棟理事会が、川崎市まちづくり局へ許可申請を行い今回も使用許可を得て開催された。

 発案者のリヴァリエA棟理事長山田瑛理さんは「前回以降、住人からの再開要望もあり、今回また実現できうれしい。事業者の皆さんはまだまだ大変な日々。少しでも販売機会の創出となっていたら私たちもうれしい」と話す。

 山田さんがSNSで発信した記事を読み、出店に至った「ちゃんこ鍋」を販売する勝盛家相撲料理店の大将松田一隆さんは「慣れない販売方法だが、初日は早々に完売、その後も用意した分は順調に売れている。とても有り難い」と、この販売機会に感謝と手応えを示している。

 企画を支援しサポートしたのが、川崎駅前にぎわいを創成したイベント「よりみちサーカス」や、飲食店への来店客拡大を実現した「カワサキ未来チケット」を実施した「カワサキサーカスプロジェクト実行委員会」が協力した。

 プロジェクトメンバーの荻原直也さんは「僕の立ち位置は常に同じで、いつもお店を利用する側の目線でまちの飲食店をどう応援するかを考え行動している。川崎地元応援券が浸透している一方、前回の緊急事態宣言下よりも店と利用者の距離が離れているように感じたので、適切な距離を保ち新規開拓のチャンスにつなげ架け橋になれればと思っている」と話す。

 「地域の人々と飲食事業者とのコミュニティ形成のきっかけとなり、地域の魅力創出への前例として今後につながる取り組みになりえるのでは」と期待する声が聞こえる。

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